2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing a New Paradigm of Social/ Human Sciences based on Relational Studies: in order to Overcome Contemporary Global Crises
Project Area | Establishing a new paradigm of social/human sciences based on rerational studies: in order to overcome contemporary global crisis |
Project/Area Number |
16H06546
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
酒井 啓子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (40401442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 美智子 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (00206715)
松永 泰行 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20328678)
石戸 光 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (40400808)
五十嵐 誠一 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (60350451)
鈴木 絢女 同志社大学, 法学部, 准教授 (60610227)
末近 浩太 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70434701)
山尾 大 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80598706)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 国際関係 / グローバルイシュー / 地域研究 / 紛争 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
総括班はグローバル関係学を新学術領域として確立することを目的とし、分担者や公募研究者、領域外の若手研究者にグローバル関係学の視座を理解しその分析枠組みをもとに研究を展開するよう推進することに力点をおいて活動を行っている。H29年度には、領域代表の酒井、計画研究A01代表の松永、計画研究B02分担者の久保が全体研究会や国内の研究シンポジウムなどでそれぞれがグローバル関係学の試論を報告、各界からコメントを受けて学理のブラッシュアップに努めた。そこでは1)グローバル関係学が、関係/関係性に焦点を絞り、その関係/関係性の静態的・固定的特徴を見るのではなく、なんらかの出来事や変化、表出する現象をとりあげ、そこで交錯するさまざまな関係性を分析すること、2)グローバル関係学がとらえる関係が単なる主体と主体の間の単線的/一方方向的関係ではなく、さまざまな側面で複合的・複層的な関係性を分析すること、を共通合意とすることが確認された。それを踏まえて9月以降、領域内の分担者に対して、いかなる出来事を観察対象とするか、主体間の単線的ではない関係性をいかに解明するか、そしていかなる分析手法を用いてそれを行うかを課題として、個別の研究を進めるよう促した。 多様な関係性が交錯する出来事にはさまざまな事例が考えられるが、その一つに難民問題がある。計画研究ごとに閉じられた研究ではなく領域として横断的研究を推進するため、計画研究横断プロジェクトとして移民難民研究プロジェクトを立ち上げた。 また、総括班主導で確立したグローバル関係学の学理を国際的にも発信していくため、国際活動支援班と協働しながら、海外での国際会議を積極的に実施している。H29年度はシンガポール国立大学中東研究所と共催で同大学にて国際シンポGlobal Refugee Crisesを実施、グローバル関係学の骨子を提示して海外の研究者への発信とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
グローバル関係学学理確立のために7月23日領域全体研究会で酒井、松永、久保が試論を提示、領域外から岩下、芝崎厚士を討論者に招いて議論した。9月30日にも引き続き学理検討の全体研究会を実施した。ここで提示された試論は領域のHPに「新学術領域グローバル関係学オンライン・ペーパー・シリーズ」のコーナーを設置し、アップしている。 領域内の分担者、公募研究者が一堂に会する全体研究会は本領域における最も重要な研究活動で、すべての分担者が自らの専門からグローバル関係学にいかにアプローチするかを発表、認識を共有する場である。H29年度内に6回実施、計28名の分担者、公募研究者、研究協力者が報告を行った。同時に領域内外の若手研究者の育成にも力点を置き、2月3-4日に若手研究者報告会を早稲田大学で実施、24人の応募者から22人を選定して報告と討論を行った。外国人ならびに海外からの参加も少なくなく、領域研究者によるコメントを通じてグローバル関係学の拡大に効果があった。 計画研究横断プロジェクトとして移民難民研究プロジェクトの他、パーセプション研究プロジェクト、方法論探究プロジェクトを立ち上げ、領域の横糸となっている。計画研究、横断研究が実施する研究会、シンポなどの開催は、常に領域のHPに公開し、広く一般の方々の参加を呼び掛けつつ、成果を発信している。活動報告を行うニューズレターも、年一回発行した。 領域の拠点として4月1日千葉大学にグローバル関係融合研究センターを設置した。グローバル関係学を組織的に、将来に渡り恒常的に推進するためには、機関拠点が必要である。当初科研実施期間中の設置を予定していたが、2年度初頭で拠点を設置できたことは、予定以上の進展である。また京都大学東南アジア地域地域研究センター、同志社大学南シナ海研究センターとも研究協力体制を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
分担者が一堂に会して研究報告を行う全体研究会は、H29年度中にはすべての分担者を網羅できなかったため、引き続きH30年度も実施する。これまでに確立したグローバル関係学の学理に基づき、分担者が各自グローバル関係学としての研究を進め、研究成果たる論考を領域HPのオンラインペーパーとして掲載する。 さらに確立された学理は海外の学会などにむけて発信し意見を求める必要があるが、H30年度には世界政治学会(7月、オーストラリア)、世界社会科学フォーラム(9月、福岡)で、海外の研究者に向けて新領域の概念を提示する。 H29年度の若手研究者報告会では公募研究者も報告し、参加者に好評かつ有意義だったので、より幅広く若手研究者に研究発表の機会を提示するために東京以外で今後も継続して開催する。前回の報告会では参加者同士の討論の時間が少なかったため、討論体制を一層充実させる。そのため、京都大学東南アジア地域地域研究センターの機関的協力を得て、次回は京大稲森記念会館で実施、関西の関係研究者からの討論への参加を呼び掛ける予定である。また、H30年度秋には公募研究の第二弾募集を行うが、若手研究の育成と並行してより多くの応募者が得られるように積極的な広報を行う。 引き続き海外の研究機関と協力して国際会議を海外で実施するが、H30年度はセルビア社会科学研究院とともに紛争をテーマに12月にベオグラードにて実施する。また、H30年度後半以降分担者の石戸がタイ・マヒドン大学に赴任予定のため、今後の国際会議開催をタイで実施することも視野に入れて今後の発信方法を模索する。 H29年度には千葉大学グローバル関係融合研究センターがメコン機構(バンコク)、ムスタンシリア大学(イラク)と交流協定を結ぶなど、海外の研究機関との協力体制の確立を進めてきたため、今後もこれを拡充させる。
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Remarks |
(1)は新学術領域研究「グローバル関係学」 のウェブサイト、(2) は研究拠点である千葉大学グローバル関係融合研究センターのウェブサイト
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Research Products
(23 results)
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[Book] 『グローバル・ガバナンス学II――主体・地域・新領域』2018
Author(s)
渡邊 啓貴 (著, 編集), 福田 耕治 (著, 編集), 首藤 もと子 (著, 編集), 蓮生 郁代, 和田 洋典, 大森 佐和, 山尾 大, 宮脇 昇, 坂井 一成, 牧野 久美子, 土屋 大洋, 宮坂 直史, 山本 武彦
Total Pages
282(87-105)
Publisher
法律文化社
ISBN
978-4589038814
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