2018 Fiscal Year Annual Research Report
Total arrangement of every section and cordination with other international projects
Project Area | Creation of the study of reconciliation |
Project/Area Number |
17H06334
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浅野 豊美 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (60308244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 澄雄 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (00208521)
外村 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40277801)
梅森 直之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80213502)
劉 傑 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80288018)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 和解 / 感情 / 歴史認識 / 記憶 / ナショナリズム / 民主化 / 人権 / 紛争解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国からの研究者の来日の機会をとらえて国際連携シンポジウムを開催した。また、社会からの関心も高まり、朝日新聞の取材を受けてその記事が2019年2月27日に紙面に公表されたのみならず、テレビ局BS -TBSから出演依頼を受けて和解学のエッセンスを話した。ウェブサイトも充実され、法哲学で顕著な実績のある長尾龍一氏や領土と歴史問題についての造詣が深い東郷和彦氏をはじめ、研究分担者および研究協力者に21本のエッセイをホームページに掲載した。高麗大学とのMOUを審議中で、またジョージメイソン大学、北米台湾学会との連携の枠組みがほぼ固まってきた。 若手研究者の育成を主眼とする公募を充実させるための話し合いを行い、各班の研究費を少しずつ削る方式で来年度の公募を行うとともに、各班で雇用しているRAたちの連携も測れるようにした。 また、各班の成果をまとめるために、和解学叢書を3年度目に刊行して、それを土台にしてさらなる各班の連携を図るように計画している。そのために各班ごとに目次を用意して、出版社との間でも、ほぼその内容について基本合意に達した。出版に向けた具体的な研究発表を、各班を中心に行い班の結束を固めながら、総括班を中心とする諮問会議を2回開催して、外部からのコメントを常に受けた。 和解や紛争解決に関連した英語の著作物の翻訳を進めるとともに、将来は、MOOKのような分かりやすいテキストの刊行の可能性についても議論を始めた。 英語による大学院教育を推進するための世界トップ大学プロジェクトや、ベルギーとの二国間交流事業、そして9大学連合によるアメリカ日本協会USJI、および、アジア未来財団と連携しながら、ポーランド、ベルギー、イギリス、アメリカ、そして韓国において、領域代表が計画研究班代表とともに講演した。和解に向けた国際的連携を固めながら、英語による出版に向けた準備作業を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホームページの充実とマスコミの紹介によって社会的認知度も高まった。国際的連携の基盤も整えられつつある。高麗大学とのMOUを審議中で、また新たに、ジョージメイソン大学、ワルシャワ大学、北米台湾学会との連携の枠組みも固まってきた。諮問会議を2回開催し、各方面の学会において影響力のある研究者からの助言を受けつつ、ゆっくりとなすべきことをなす方針で進めている。また、班長会議を6回開催し、各班の進捗状況を確認し、課題を共有した。 ホームページの歴史紛争和解事典の項目が徐々に充実してきた。また、国際和解学研究所が正式に早稲田大学内部の機関として設立され、研究協力者を受け入れていくための準備を整えた。二年目は各班の結束を重視し、大きな国際シンポジウム等は開かなかったものの和解学叢書の目次を各班から提出してもらい、その調整を行なった。英語による出版に向けての準備も、大きな方向性が固まってきた。 早稲田大学内部に設立した国際和解学研究所が主催して、「和解学講座」を複数会開催し、各班を超えて議論を深めつつ、英語による成果を土台として英語による出版を進めるための場所を作った。また、研究協力者として迎えた研究者の具体的な研究テーマに即しながら、和解学的な視点がどのように実践されるかの議論を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
各班の研究成果の充実を受けて、第三年目にはそれを総合するための国際シンポジウムを、領域全体の会議を兼ねて開催する予定である。また、そのために和解学とは何であり、何であるべきなのか、特に集合的な「感情」を歴史的記憶と関連させつつ探る研究に注目すること、東アジアの歴史的空間としての特性を国民形成と帝国形成が重なった特殊なものとしてとらえ、その中に現代の「我々」がいるという認識の下で、紛争解決学が新しい紛争を国民感情の衝突という形で生んでしまう構造について、少なくとも国際的な合意をみられるように、議論の焦点を当てること、国民としてあるいは市民として主体としての自己の立っている位置を意識し点検していくこと、そのために欧州の内部における歴史問題研究者や、記憶文化と歴史的記憶について理論的に研究している研究者との連携を図りつつ、東アジアにおいて集合的な感情と、それを支える歴史記憶を研究対象とすることを心がける。そのような方針のもとで、国際的連携を充実させ、新しい学問としての和解学の実現を図っていく。
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Remarks |
エッセイ21本の投稿を分担者・協力者から受けた。また、和解学月報と、歴史紛争和解辞典を編集している。
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Research Products
(32 results)