2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of the Face-Body studies in transcultural conditions
Project Area | Construction of the Face-Body studies in transcultural conditions |
Project/Area Number |
17H06340
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山口 真美 中央大学, 文学部, 教授 (50282257)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 克巳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20373409)
田中 章浩 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80396530)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 実験系心理学 / 認知科学 / 哲学 / 文化人類学 / 身体性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、まず中間評価報告書の作成に始まったが、各班の協力を得て作成・提出し、最終的に評価Aを獲得した。 総括班の活動としては、例年通り年2回開催の領域会議(8月と12月)を開催し、各班の研究の進捗状況の確認を行った。また本年度より若手のポスター発表賞を設け、若手研究者の領域への積極的な参加を促した。他にも若手研究者をターゲットに、研究発表会を3回行っており、若手のプレゼン能力の向上にも努めた(内2件は国際ワークショップで、海外から著名な研究者にも参加してもらった)。 総括班が関わった2019年度の特徴的なイベントとしては、各関連学会の年次大会において4件の国際シンポジウムを顔身体学領域で企画・開催(APCV(Asia Pacific Conference of Vision)で2件、日本心理学会大会で1件、日本顔学会大会で1件)し、最新の研究成果の発表を行ったことである。また、哲学班を中心に「Radical Embodied Cognition, East and West」と題して、洋の東西における身体性認知に関するシンポジウム(8月31日)ならびに関連ワークショップ(8月27日、28日)を開催し、国内外から15名の講演者が発表する国際色豊かなものとなった。その他、人類学班を中心とした第4回公開シンポジウム「トランスカルチャー状況下における顔身体学の構築」、心理学班を中心に顔認知の研究において世界的に著名なJames Tanaka教授(カナダヴィクトリア大学)を招聘し顔認知の全体処理(holistic processing)をテーマにした国際シンポジウムを開催した。 年度終盤に2件の国際シンポジウムを予定していたが、2020年2月に始まったCOVID-19感染拡大により延期を余儀なくされた。が、翌年度に、開催形式をオンラインに変更してどちらのシンポジウムも開催している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度終盤の2件の国際シンポジウムについては、コロナ禍により延期を余儀なくされたが、その他2019年度に計画していたイベントおよび施策については、概ね実施することができた。研究成果発信のためのシンポジウムやワークショップについては、哲学と心理学、哲学と文化人類学など、複数研究項目の共催によるイベントを多数開催することができた(国際シンポジウム6件、国際ワークショップ2件、公開シンポジウム1件、企画シンポジウム1件)。また、若手研究者の育成という観点から、領域会議における若手ポスター発表賞を設けたり、若手中心の研究発表会を開催したりし、領域補助期間後半での若手研究者の躍進に向けての良い準備ができた。もう1点、国際活動支援の一環として、B01田中班の若手研究者3名(研究員1名、大学院生2名)をオランダの2大学(マーストリヒト大学、ライデン大学)に2週間から1ヶ月半程度派遣し、共同研究のための実験、調査を行えたことは特筆すべきと考える。ヨーロッパのコロナ感染拡大により、滞在期間を短縮して帰国せざるを得ず、その後も直接の行き来はできなくなってしまったが、リモートでの研究交流により、研究自体は進められている。他にも、海外の共同研究者をそれぞれ日本に招聘し4回の研究打ち合わせを行ったり、ロンドン大学の学生を1ヶ月間受け入れ、ラボの活動に参加してもらうなど、海外研究者との研究交流にも注力した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度および2020年度予算による計画の執行についてはすでに終了しているが、2021年度予算については相当額を繰越しており、2022年度に5年間の研究成果発表を広く一般に、また国際的にアピールしていく施策を企画、実施していく予定である。コロナ禍が続く中、海外との交流がどこまで可能になるかによって行える施策内容は変わってくるが、いずれにせよ、顔身体学という新しい学問分野の確立とプレゼンスの高揚を目指し、使用可能な手段を駆使して、国内外に向けて研究成果を発信していきたい。
|