2018 Fiscal Year Annual Research Report
Chemistry for Multimolecular Crowding Biosystems
Project Area | Chemical Approaches for Miscellaneous / Crowding Live Systems |
Project/Area Number |
17H06347
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜地 格 京都大学, 工学研究科, 教授 (90202259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王子田 彰夫 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10343328)
馬場 嘉信 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30183916)
杉本 直己 甲南大学, 先端生命工学研究所, 教授 (60206430)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 生体関連化学 / 分子夾雑 / 生命化学 / ケミカルバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.第1期(平成30~31年度)の公募研究を公募し、32件の公募班員が領域に参加することとなった。泊まり込みの第2回領域会議を開催し、総括班と公募班を含めた領域研究の位置付けと方向性を明確化して、研究目標を共有した。同時に総括班会議や班会議を行い、領域全体の運営方法を決定した。 2.第18回日本蛋白質学会において公開ワークショップ「分子夾雑の蛋白質化学」を主催し、領域内で得られた最新の成果を報告した(浜地オーガナイザー)。加えて、国際学会を含む7件のシンポジウムやワークショップを共催し、本領域の成果をアピールした。さらに、本領域主催の地域ワークショップを若手・中堅研究者が企画・開催し、計画班と公募班員との親密な交流を図り、領域全体の研究の加速を促した。また、若手育成ワークショップの開催により、若手研究者の育成を行った。 3.領域内だけでなく関連分野の研究者に向けた情報を領域ホームページを充実させて発信している。また、年2回のニュースレターの発行によって、領域の広報活動を行った。 4.領域研究拠点として設置した「統合生命化学研究センター(CIBIC)」の本格的運営を開始した。現在、研究領域内で共同利用するための、質量分析やバイオイメージングに基づく生体分子網羅的解析施設として機能させている。また、領域内で相互利用可能な測定機器や実験技術に関する共同利用ネットワークを構築し、これを運営することによって領域内の連携研究を促進すると同時に、研究領域内で共用するための設備・装置運用、実験・資材の提供などの研究支援活動を行っている。 5.国際活動支援においては、(1)日本人若手研究者の派遣、(2)レクチャーツアー、(3)著名海外研究者の招聘・招待等の取り組みを積極的に支援することで、国際共同研究の推進と国際性のある若手の育成し、将来のための継続的・発展的なネットワークの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に予定していた総括班事業計画のほとんどを実行することができ、順調に本領域の研究が進展しているものと判断している。これまでに、計画および公募班員による世界トップレベルの論文誌への掲載を始め、大変優れた研究成果が次々に報告され、複数のプレスリリースや多くの受賞もある(原著論文106件:解説・総説20件:書籍出版17件:学会招待講演 106件:学会一般講演116件:学会ポスター発表162件:特許2件:プレスリリース10件:受賞19件)。また、多くの公開シンポジウムやワークショップを実施し、領域内で得られた最新の成果を報告することで、「分子夾雑の生命化学」という新しい学術領域をアピールすることに成功している(平成30年度:主催1回, 共催7回)。さらに、若手研究者が地域ワークショップを企画・開催することで、計画班と公募班員との親密な交流を図ると同時に、若手研究者の育成を促進した。また、領域研究拠点である CIBIC に設置した測定機器共同利用により優れた研究成果が出てきており、トップジャーナルを含む論文誌に掲載されている。領域広報活動については、本領域のホームページを通じて関連分野の研究者に向けた情報を発信していることに加え、年2回のニュースレターの発行を行っている。出版事業としては、「現代化学(東京化学同人)」で連載を開始し、「化学と工業」誌で分子夾雑に関する特集を組んだ。国際活動支援においては、(1)日本人若手研究者の派遣、(2)レクチャーツアー、(3)著名海外研究者の招聘・招待等の取り組みを積極的に支援することで、本領域を「分子夾雑の生命化学」の中心的な国際拠点として発展させ、我が国の生命化学研究の国際的プレゼンスを大きく高めつつあると考えている。このような理由から、当初に計画した目的、計画・方法に対する達成度は高く、領域活動は概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
領域の研究戦略として、それぞれの研究グループの研究の進展により得られた研究成果をベースとした積極的な共同研究を総括班が中心となって推進し、公募班も交えた活発な共同研究体制を確立する。全体班会議を行い、領域研究の位置付けと方向性を明確化して、研究班だけでなく公募班も含めて研究目標を共有する。また、複数の公開シンポジウムを開催し、公募班も含めた領域全体の研究の進捗の把握と方向性を発信する。日本化学会と連携し、若手・中堅研究者を中心として当該分野の日英シンポジウムを企画している。令和2年度には、第2期 (平成32~33年度) の公募研究を公募するが、将来性の高い有望な研究テーマに関しては、2期目の募集において、重点研究として設定して研究遂行の促進を図る。領域内での連携と共に、海外の研究グループとの共同研究を推進し、我が国発の分子夾雑化学のグローバル展開を目指す。このようにして、新時代の生命化学研究を確立し、これを実践する人材の育成、人的交流を確立する。また、長期にわたり我が国の生命化学研究の発展を担う若手研究者の育成を重視した様々な取り組みを国際活動支援の中で積極的に実施していく。最終年度にあたる令和3年度には、国際シンポジウムを開催し、当領域研究の成果および本課題を通じて確立する「分子夾雑の生命化学」の世界における我が国の優位性、目覚ましい研究発展を海外に発信する。また、本領域研究で確立する新たな新学問領域である「分子夾雑の生命化学」に関する雑誌特集や企画を出版することで、広く社会に対しても成果を周知・還元する。加えて、研究成果を新聞社やテレビ局等のマスコミにリリースする等の他、アメリカ化学会、イギリス化学会および日本化学会などと協力して、海外の国際誌に「分子夾雑の生命化学」研究の特集を組み、我が国が本研究分野を先導していることを全世界に対して積極的に発信する。
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Research Products
(10 results)