2019 Fiscal Year Annual Research Report
Soft Crystals: Science and Photofunctions of Easy-Responsive Systems with Flexibility and Higher-Ordering
Project Area | Soft Crystals: Science and Photofunctions of Easy-Responsive Systems with Felxibility and Higher-Ordering |
Project/Area Number |
17H06366
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 昌子 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80214401)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | ソフトクリスタル / 結晶相転移 / 発光 / 刺激応答性 / 秩序構造 / 光機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本領域では、結晶の持つ高秩序構造を維持しながら、外部刺激によって構造が劇的に変化して光機能などの特異な性質を示す物質群「ソフトクリスタル」の生成機構と転移現象の学理解明学と新機能開拓をめざしている。本研究計画では、総括班として領域の実施計画に関する情報を各研究班に提供し、研究計画・進捗状況・成果に関わる情報を集約することで、国際活動を含む領域全体の計画が適切に実施できるよう支援しつつ、領域研究の推進に貢献することを目的とする。 令和元年度は、中間報告の年度ということで,活動状況や研究成果の中締めを行った。また、領域全体会議及び公開シンポジウムををれぞれ2回(4月と2月)に行い、班員の成果発表とともに、ソフトクリスタルに関する研究討論を行った。7月には、International Symposium on Photochemistry and Photophysics (ISPPCC2019, Hong Kong)のプレシンポジウムとして、第2回ソフトクリスタル国際会議(ISSC)を成田で開催した。また、領域会議に合わせて、「物性解明研究グループ会議」を開催し、様々な観点からソフトクリスタルを深掘りできる機会を設けた。さらに、領域内の共同研究を推進のための意見交換の場として、共同研究促進会(10月)、若手活性化を目的とする若手会(7月)を行った。 その他のアウトリーチ活動としては、ニュースレターを3回発行し、領域研究者間のコミュニケーションをはかるとともに、WEBにて広く公開した。 領域3年目となり、上記のような活動も順調にすすむようになり、これらの活動を通して、領域目的達成のための領域としてのまとまりも形成されたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のとおり、領域活動も3年目となり、共同研究ネットワークも形成も進み、共同研究の成果も顕在化してきた。また、国際会議等を通じて海外の研究者にも「ソフトクリスタル」領域と研究が知られるようになってきた。本領域研究としての新たな成果も多数発表されており、研究はおおむね順調に進展していると判断される。また、本年度は中間評価の年であった。6月に中間評価報告書をまとめ提出し、9月に審査部会委員のヒアリングを受けた。その結果、A評価(領域の設定目的に照らして、期待通りの進展が認められる)との評価結果をいただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
中間評価における審査部会意見として、今後のさらに推進すべき事項や方向性に対する教唆もいただている。「ソフトクリスタル」という新たな概念の確立を目ざして、研究内容の慎重な判断と、分類整理を行いながら、学理として確立することが望まれている。これを肝に銘じて、令和2年度は公募班が2期目に入ることも考慮しながら、方向性がずれないように、しかし、狭い領域で固まらないように配慮して一層の研究推進をはかる。また、国際活動を加速し、本領域の確立と国際的なイニシアティブをとっていくように国際会議等で活発に研究成果の発表や討論を活発に行っていく。 具体的には、令和2年度も、公開シンポジウム(2回)、国際会議(1回)、総括班会議(2回)、関連の国際シンポジウムの共催・支援、若手研究者セミナーへの支援等を計画している。COVID-19感染拡大の折から活動が制限されることが懸念されるが、領域会議等は、状況に応じて、WEB会議として開催を計画する。 そのほか、得られた研究成果は、各種アウトリーチ活動(ホームページ、リーフレット、プレスリリース等)により、国内外一般社会へ積極的に発表し、情報公開を行う。また、今後は機能化にも一層注力し、産業的に有用な技術が開発された場合は、積極的に特許出願の支援も行う。
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