2020 Fiscal Year Annual Research Report
Soft Crystals: Science and Photofunctions of Easy-Responsive Systems with Flexibility and Higher-Ordering
Project Area | Soft Crystals: Science and Photofunctions of Easy-Responsive Systems with Felxibility and Higher-Ordering |
Project/Area Number |
17H06366
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 昌子 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80214401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 和之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20282022)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | ソフトクリスタル / 結晶相転移 / 発光 / 刺激応答性 / 秩序構造 / 光機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本領域では、結晶の持つ高秩序構造を維持しながら外部刺激によって構造が劇的に変化して光機能などの特異な性質を示す物質群「ソフトクリスタル」の生成機構と転移現象の学理解明学と新機能開拓をめざしている。本研究計画では、総括班として領域の実施計画に関する情報を各研究班に提供し、研究計画・進捗状況・成果に関わる情報を集約することで、国際活動を含む領域全体の計画が適切に実施できるよう支援しつつ、領域研究の推進に貢献することを目的とする。 令和2年度はコロナ禍による対応で大幅な計画の大幅な変更があった。まず、政府の非常事態宣言を受けて、令和2年5月に開催予定の公開シンポジウムは延期したが、領域会議はオンライン形式で開催した。新たな公募班も加わったことから、これまでの研究内容について情報共をするとともに、今年度の研究計画等について議論をすることができた。 また、総括班として共同研究の推進を一層図るために、共同研究推進会議を9月と11月にハイブリッド形式で開催した。現地での対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド会議にすることで、共同研究に関する具体的かつ詳細な打ち合わせが効果的に推進できるよう便宜を図った。12月に予定していた国際会議(米国、ハワイ)は、同じくハワイで開催予定の環太平洋化学会議(Pacifichem2020)が翌年に延期になったため、それと合わせて2021年12月に延期した。 2021年1月にハイブリッドで開催を計画していた公開シンポジウムおよび領域会議は、コロナ第三波による情勢の悪化のため急遽オンライン会議に切り替えて実施した。しかし、オンラインでは対面のシンポジウムより、企業関係者など外部からの参加者が増え、メリットも感じられた。 その他のアウトリーチ活動としては、ニュースレターを3回発行し、領域研究者間のコミュニケーションをはかるとともに、WEBにて広く公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による対応で大幅な計画変更があったが、臨機応変に対応できたといえる。しかし、国際会議が次年度に延期にせざるを得なかったため、総括班の当初計画よりやや遅れていると判断する。コロナの状況が改善すると期待できる次年度において、延期した国際会議をより充実した形態で実施する予定である。また、今年度の会議を延期した分、経費も未使用分が出てきたが、これはそのまま令和3年度の実施分として使用する予定である。 国内会議は、おおむね順調に推進することができた。領域会議はハイブリッド会議として実施することで十分な議論と利便性の担保が可能であった。また、公開シンポジウムでは、オンラインで開催することにより、企業関係者など外部からの参加者が対面のシンポジウムより増え、メリットも感じられた。共同研究のための人の往来も制約を受けたが、試料の送付により実験ができるようにして大幅な遅れが出ないような対応をとった。
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Strategy for Future Research Activity |
領域研究の最終年度として、各班の計画研究および公募研究の成果が領域目的に沿った方向性をもってより明快にまとまるように促す。具体的には、物性・構造解析を専門とする研究者の班を越えた議論の場である「物性解明グループ会議」において、学理の解明に向けてのアプローチの成果を引き出す。また、物質開拓、物性解明、および理論化学の研究者の間の連携がより緊密化することを目的として班の垣根を超えた領域内共同研究を推進する場、「領域会議(共同研究推進会)」を継続的に行ってきたが、最終年度としてその成果を明確化する。 一方で、国内外への発信は最終年度として特に重要となる。研究成果の発表と議論の場として、公開シンポジウムを6月と3月に開催する。公開シンポジウムは動画での配信も計画する。また、海外に発信し世界でのイニシアチブをとるために国際シンポジウムを行う。令和2年度はコロナ禍により国際会議が延期となったが、令和3年度は、ハイブリッド形式での国際会議開催を計画する。具体的には、2021年12月:環太平洋化学会議(Pacifichem2021, ハワイ)のプレシンポジウムとして、第3回ソフトクリスタル国際会議(3rd ISSC)を開催する。世界中から研究者が参集するPacifichemと合わせて開催することにより、多数の海外研究者の参加が期待でき、領域研究を周知に効果的であるとともに、様々な分野の研究者とディスカッションが可能になる。COVID19の蔓延状況も考慮しながら多くの研究者が参集できるように最大限の努力をする。そのほか、得られた研究成果は、各種アウトリーチ活動(ホームページ、リーフレット、プレスリリース、領域の宣伝ビデオを作製等)により、国内外一般社会へ積極的に発表し、情報公開を行う。
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