2018 Fiscal Year Annual Research Report
Co-creative Language Evolution: Coordination Section
Project Area | Studies of Language Evolution for Co-creative Human Communication |
Project/Area Number |
17H06378
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡ノ谷 一夫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30211121)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 言語起源 / 言語進化 / 階層性 / 意図共有 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度には、新たに公募班研究者を迎えた。A01に5人、B01に11人、B02に5人、B03に6人、C01に5人であり、領域全体で32人となる。このことで、領域全体としての目標に合致した体制を作ることができ、更なる連携の強化を推進することが可能になった。 8月にはマイケル・トマセロをはじめとする著名な海外研究者3名を招聘して国際シンポジウムを開催した。一般聴衆をも対象とした基調講演から、最先端の高度な研究内容と動向について幅広く情報発信・交換をする研究者らによる討論会まで、多数の参加者を迎えた。このシンポジウムは、東京・京都等にて、6日間にわたり開催された。 二つめの国際イベントとして、3月には教育プログラムでもある東京・京都共創言語進化学講座を3名の海外研究者を招聘して開催し、主として若手を対象として共創言語進化学の基礎からやや高度な知識を授け、議論の場を提供した。なお、これら2つの国際イベントでの講演を英文論文集として出版する準備にすでに取り掛かっている。 男女共同参画推進としては、H30年7月に新学術領域「思春期主体価値」(笠井清登代表)と共催で分野を超えた情報交換と交流を図る合宿を開催した。 また、領域全体としての研究進捗と今後の方針を一同に会して確認し、軌道修正する場として初年度3月から半年ごとに3度の領域全体会議を開催した。これまでの全メンバーによる研究成果をニューズレターとしてH31(R01)年度に刊行する予定である。本領域研究について国内外に向けて広く発信するツールとしてホームページの開設と拡充も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H30年度は、当初の予定を早め、8月に第1回めの大規模国際シンポジウムを開催した。2月には、こちらも当初予定を早め、国際規模の教育プログラムを実施し、多くの領域内外研究者に共創言語進化という研究領域を知らせることができた。 さらに、大小7件の総括班主催・共催のシンポジウムやワークショップを実施したことで領域内外、国内外の分野横断的な研究連携の強化と促進が図られた。 また、その場で得られた最新の研究動向・情報を次年度に冊子化刊行する準備を並行して行い、新たな学術領域としてのプレゼンスを確立する体制が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、領域全体の目標である言語の生物進化・文化進化の統合理論の構築をめざすフェイズの2年目にあたる。前年度に整備した公募研究班との分野横断的な協働体制をさらに強化し、意図共有・階層性という2つの柱についても領域全体の共通概念として打ち立てる。また次年度早々に、領域の若手研究者らによる分科会(共創言語進化若手の会)を創設・運営する支援を行い、若手育成を図ることで、本領域研究の継続的発展を促進する基盤を整備する。 次年度も8月に国際シンポジウムを予定している。言語の起源としてジェスチャーの可能性を研究しているマイケル・コバーリス(オークランド大学、ニュージーランド)とソータロー・キタ(ワーウィック大学、英国)を招聘し、東京と京都においてシンポジウムを開催する予定である。 さらに、班会議、班内・班間連携、公募班との連携、他の新学術領域との共催シンポジウムを通して、本領域の個性を際立たせるとともに、本領域の国際的評価が高まるような運営をしてゆく。
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Remarks |
総括班は研究を実施するのではなく、領域の運営が本務である。このため、発表業績につながることは少ない。
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Research Products
(14 results)