2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Clustering as a window on the hierarchical structure of quantum systems |
Project/Area Number |
18H05400
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 隆司 東京工業大学, 理学院, 教授 (50272456)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 実験核物理 / 理論核物理 / ハドロン物理 / 原子物理 / 分子科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本領域は、我が国が世界をリードするハドロン物理、原子核物理、原子物理、分子科学分野の研究者の力を結集し、階層間の壁を超えた連携研究を推進するものである。異なる物質の階層間に出現する多彩なクラスター現象を通じ、階層をつなぎ、個々の階層を超えた量子多体系の普遍的な現象や法則を見出し、物質における階層構造の起源の解明を目指している。 総括班の目的はそれぞれの物質階層の分野を超えて研究交流・連携を進め、共同研究を醸成し、本領域の目的達成を確実にすることである。そのため、総括班会議の開催、研究集会の開催、若手研究者の育成、検出器・測定技術の共有・機器の共用促進、国際活動支援、広報・アウトリーチ活動、外部評価のアレンジメントの7つの活動を主として行っている。 R2年度には、中間評価に対する前半の成果の総括を行うとともに、新型コロナ感染拡大に伴い対面での研究会活動が制限される中、オンラインで領域研究会を3回開催し、連携研究の強化を図った。また、一つのトピックを深掘りして議論する「物質階層を横断する会」をオンラインで3回開催した。一方、 新たな活動として「分野横断インフォーマルミーティング 」を立ち上げ本領域の重要テーマともなっている「3体力」を議論する会を設けた。国際レクチャーシリーズはオンラインで海外の研究者による講義(3回)を開催した。3月にはThe 8th Asia-Pacific Conference on Few-body Problems in Physics (APFB2020)を主催した。また、検出器ワークショップを12月に行ない、領域全体で検出器に関する情報交換を行なった。若手育成のため、SNPスクールを共催するとともに、3月には3名の講師を迎えてスクールを主催した。さらに、アウトリーチ活動の一環として一般講演会をオンライン開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際会議The 8th Asia-Pacific Conference on Few-body Problems in Physics (APFB2020)を主催した(オンラインと金沢での対面のハイブリッド開催)。計画研究の代表が組織委員に加わり、また若手の発表の場としての役割も果たした。新型コロナ感染の広がりによる対面型研究会が制限される中、3回の領域研究会で公募研究との連携強化にも成功した。また、「分野横断インフォーマルミーティング」を新たに立ち上げ、シリーズで「三体力」に関する講義と議論を組み合わせた場を設けた。これが契機となって、原子核階層での三体核力と同じメカニズムが原子階層で発現している可能性が新たに示されるなどの成果を得た。さらに、物質階層を横断する会(3回、テーマを絞ったワークショップ的研究会)、国際レクチャーシリーズ(3回)などもオンライン開催で順調に行われ、活発な議論が進み、深く議論する場、異なる分野を互いに深く学ぶ場が設けられ、連携強化が図られた。国際レクチャーシリーズはmini workshopを組み合わせて、若手が発表する機会も設けており、若手育成でも重要な役割を果たした。若手育成に関しては、国際的なスクールInternational School for Strangeness Nuclear Physics (SNP School 2021)を共催するとともに、三人の講師を招いた領域スクールを主催した。R2年度はアウトリーチ活動にも力を入れ、オンライン開催で科学講演会を実施し、高校生を中心として100名近い参加者を得た。対面での研究会が困難な中、国際会議の開催に成功し、新たな連携の促進が図られたことから、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
階層を繋ぐ連携研究をより進展させるため、総括班会議や戦略会議、そこで企画する研究会、ワークショップを通して、具体的な連携研究にむけた取り組みを加速する。特に物質階層を横断する会、国際レクチャーシリーズ、インフォーマルミーティングを活用して、連携研究を進展させる。
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Research Products
(24 results)