2020 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of Particle Physics and Cosmology with Neutrinos
Project Area | Exploration of Particle Physics and Cosmology with Neutrinos |
Project/Area Number |
18H05535
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中家 剛 京都大学, 理学研究科, 教授 (50314175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 格 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 准教授 (10400227)
佐藤 修 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任講師 (20377964)
日下 暁人 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20785703)
石塚 正基 東京理科大学, 理工学部物理学科, 教授 (40533196)
石原 安野 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (40568929)
津村 浩二 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40648101)
伊藤 好孝 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (50272521)
市川 温子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50353371)
伊部 昌宏 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (50599008)
早戸 良成 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (60321535)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 宇宙 / 素粒子 / 反粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
新学術領域「ニュートリノで拓く素粒子と宇宙」では、宇宙の初期から現在に至るまでの物理過程を統一的に理解するために、物理学の革新となる「新しい素粒子、宇宙像」の創造を目指している。そのために、TeVのエネルギースケールを大きく超える新物理を探ることが不可避であり、この未知の領域に踏み込む研究として「ニュートリノ」を軸とした [素粒子+宇宙]×[理論+実験] の多角的なアプローチを進めている。計画研究A班では、スーパーカミオカンデの有効体積を拡張し世界最高感度での陽子崩壊探索結果、T2K実験によるニュートリノでCP対称性が破れている兆候の観測、IcuCube実験によるグラショー共鳴による超高エネルギー反ニュートリノ観測と、本領域の基盤となる重要な研究結果が多数出た。また、CMB観測実験では、COVID-19の影響で望遠鏡建設に遅れが出ているものの、次世代望遠鏡に向けた研究開発が着実に進んでいる。計画研究B班では、高圧Xe-TPC検出器に採用できる新しいバックグラウンド削減手法(Ba+タッグ)の開発が進み、エマルジョンの大量生産も始まった。計画研究C班は、理論によって本領域の実験観測結果をつなぐ重要な成果を多数発表した。その重要な研究の一つとしてSO(10)GUT模型における陽子崩壊とアクシオン暗黒物質の可能性を示した。他にも、大統一理論と暗黒物質の関係性について新しい結果が出ている。 総括班の活動として、領域の活動評価のための成果報告研究会を2020年4月に、領域研究会を2020年12月に、物理学会との共催シンポジウムを2021年3月に開き、成果を広く発信した。2020年12月には、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で国際研究会を開催し、コロナ禍での新しい研究会のやり方を試みた。領域の宣伝用のパンフレットを作成し、一般に向けても積極的に情報を発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大のために、対面での研究打ち合わせや会議、海外渡航が著しく制限されたが、オンラインツールを駆使して、領域の活動を進めた。 (1)(コロナウィルスの影響を含め)国内外の研究動向を調査し、領域全体の研究方針を策定した。2020年4月に研究成果報告会、2020年12月に領域研究会を開催し、研究計画班の進展状況を評価し、必要な計画には助言を与えた。(2)領域研究会を活用し、公募研究との連携を作り、双方の研究内容の理解を深めた。特に、Zoomのブレークアウトルームを活用した研究発表は、相互の議論が綿密に行え有意義であった。(3)多様な研究会を企画し、研究計画班間の連携を図った。対面+オンラインのハイブリッド形式も試み、コロナ禍での国際研究会の開催方式として有用であると確認した。(4)オンラインの利便性を活用し、多くの国際会議に出席し国際的な研究の動向を調査した。複数の重要な国際会議で領域メンバーが研究成果を発表し、世界のニュートリノ研究を主導できるよう努めた。(5)研究会、ホームページなどで国内外に向け、最新の研究成果を発信している。 学生とポスドクが主体となり、領域研究会の運営の一翼を担った。また、研究会を小部屋(Zoomのブレークアウトルーム)に分け、若手のポスター発表における議論を活性化させた。学生同士での大学間の研究交流を促し、若手研究者の意識が高まった。(6)社会・国民へのアウトリーチに関しては、大学や研究機関の広報室と協力して、広く情報発信に努めている。また、4コマ漫画のコンテンツを充実させ、領域の研究を紹介する新しいパンフレットを作成した。(7)「素粒子・宇宙」の研究分野は、中高生にとって夢のある研究として関心が高い。中高生を含めた一般向けの講演やオンライン見学会を開催した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は新型コロナウィルスの感染対策に注意しながら研究を進める難しい年であった。今後は、2020年度で得た経験を生かし、新型コロナウィルス感染予防に最大限の注意を払いながら、オンラインと対面を組み合わせ、生産性の高い研究環境を維持していく。 (1)【領域の研究目標の策定と評価】(新型コロナウィルスの感染状況に注視しながら)国内外の研究動向を調査し、領域の研究目標を策定する。研究計画班の進展状況を適宜確認し、必要があればサポートする。(2)【公募研究との連携】2021年度から新しく始まる公募研究と連携し、領域の研究内容の幅を広げていく。オンラインツールを活用した研究議論の場を設け、双方の研究内容の理解を深める。(3)【研究計画班の連携】総括班主導で、情報を共有するための企画(研究会、Web発信)を通し、研究計画班間の連携を強化・維持する。(4)【国際的主導力の発揮】国際的な研究の動向を常に調査し、世界のニュートリノ研究を主導していく。(5)【研究成果発表の促進と若手研究者の支援・育成】研究会、ホームページを通し、最新の研究成果を発信する。海外の国際会議もオンライン開催が主流であり、積極的に国内の研究者が参加・発表するように促す。学生・ポスドクが主体となり議論できる若手研究会を開催する。(6)【研究成果の社会・国民への発信】社会・国民へのアウトリーチに関しては、各大学・研究機関の広報室と協力して、広く情報を発信する。WEB、メディアを活用し、最先端の研究成果とその目標を社会・国民に発信していく。平易に説明できる4コマ漫画のWEBコンテンツを充実させ、研究の面白さ広く伝えていく。(7)【若者への科学教育】若者への科学教育は、科学の裾野を広げ、日本の理科教育の根幹を支える。中高生向けの講演会や高校等での出前講義を行う。
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Remarks |
マンガで科学的な説明を配信: http://higgstan.com 4コマ漫画のパンフレット作成: https://www-he.scphys.kyoto-u.ac.jp/nucosmos/files/NC-pamph.pdf
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Research Products
(27 results)