2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Novel States of Matter Induced by Frustration |
Project/Area Number |
19052007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川村 光 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (30153018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 覚 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40135489)
香取 浩子 独立行政法人理化学研究所, 高木磁性研究室, 専任研究員 (10211707)
常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
有馬 孝尚 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90232066)
廣田 和馬 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90272012)
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Keywords | フラストレーション / フラストレート磁性 / カイラリティ / 量子スピン液体 / マルチフェロイックス / リラクサー / 巨大応答 / 複合秩序化 |
Research Abstract |
物性・統計物理学において近年「フラストレーション」という概念が注目を集めている。これは系の様々な最適化条件が互いに競合し、系がそれらを同時に満たすことが出来ないような状況を指す。本特定領域では、フラストレート磁性の研究を核としつつ、金属・超伝導体・誘電体などを含む多様なフラストレート系を統合的に扱うことにより、フラストレーションを基軸とした新概念・新物性の開拓を目始す。19年度は、今後5年間が予定されている特定領域研究のスタートに当たり、計画研究の全メンバーが一堂に会して今後の研究に向けての研究発表と討論を行ったキックオフミーティングを開催したほか、領域の運営等について協議する計3回の総括班会議、あるいは個別のトピックに関して関連研究者で機動的に集まり討論する会合(トピカルミーティング)等も合わせて行った。加えて、領域内外への広報・成果発信のため領域ホームページを立ち上げた(http://www.frustration.jp/)。また、領域の活動の現状を活写するニュースレターを都合2回発行し、内外へ配布した。これらの諸活動の結果、初年度にあたる19年度は、幾何学的フラストレート磁性体において新奇な量子スピン液体状態を実験的に見出しその性質の解明に向け活発な研究を実験・理論両面から展開しつつある。また、低温まで大きな揺らぎを伴う特異なスピン凍結現象等も見出され、内外の大きな関心を集めている。リラクサーやマルチフェロイックスの分野でも、着実な研究成果を待つつある。
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Research Products
(12 results)