2020 Fiscal Year Annual Research Report
Physical Properties of Quantum Liquid Crystals
Project Area | Physical Properties of Quantum Liquid Crystals |
Project/Area Number |
19H05822
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芝内 孝禎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00251356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸川 欣彦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00415241)
和達 大樹 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 教授 (00579972)
小林 研介 大阪大学, 理学研究科, 教授 (10302803)
永崎 洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 首席研究員 (20242018)
大串 研也 東北大学, 理学研究科, 教授 (30455331)
花栗 哲郎 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, チームリーダー (40251326)
求 幸年 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323274)
岡崎 浩三 東京大学, 物性研究所, 准教授 (40372528)
遠山 貴巳 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 教授 (70237056)
SHANNON Nic 沖縄科学技術大学院大学, 量子理論ユニット, 教授 (70751585)
木村 剛 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (80323525)
有田 亮太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, チームリーダー (80332592)
有馬 孝尚 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90232066)
紺谷 浩 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (90272533)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 対称性の破れ / ネマティック / 回転対称性 / 電子液晶 / スピン液晶 / 量子多体効果 / ソフトマター / 量子液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本総括班では、研究活動支援、共通設備管理運営、若手育成支援、広報活動、国際活動支援の5つの部会を設け、領域の運営を行っている。 まず研究活動支援として、公募研究キックオフミーティングをオンライン研究会の特徴を生かし、5月から8月にかけて研究項目別に4回に日を分けて開催した。毎回100名前後の参加者があり、活発な議論が行われた。10月には、研究項目A01を中心に、量子物質開発フォーラムを2日間に渡りオンラインで開催した。領域外からの招待講演者もお迎えし、新物質開発研究で活躍する若手・中堅研究者の交流の場として116名が参加した。また、11月には物性科学に関連した新学術領域研究が合同で開催する第14回物性科学領域横断研究会(オンライン開催)にて、領域紹介や研究発表などを行った。さらに、12月21日から25日の5日間に渡り、2020年度領域研究会をオンライン開催した。領域内外の研究者154名の参加があり、領域メンバーの成果について議論が交わされるとともに、評価委員からのコメントをいただいた。さらに、領域外から講師をお迎えしたQLCセミナーを5回オンライン開催した。 共通設備としては、昨年度整備した強磁場基礎物性測定装置(東北大学)および磁化測定装置(東京大学)について、共用装置としての運用を進めた。若手支援および国際化促進として、海外派遣が不可能となった代わりとして、オンライン国際会議での参加支援を行うとともに、若手研究者の情報交換を進める場として、新しく若手コロキウムの開催をスタートさせた。また、第1回および第2回のQLC若手奨励賞の選考を行い、計5名が受賞した。広報活動としては、領域ホームページの充実化を図るとともに、2編のニュースレターを発行し、関係者に送付・公開した。さらに、領域の動画サイト「QLCチャンネル」では、研究成果の解説など8本の動画を公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本新学術領域研究では、様々な固体物質において量子多体効果により発現する、液晶に類似した電子状態を対象とし、「量子液晶」という概念によって統一的に取り扱うことにより、その普遍性と多様性の基礎学理を探求することを目的としている。採択後2年目の2020年度においては、17名の公募研究代表者が領域に加わり、研究が加速した。 2020年3月以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、海外との人の移動がほぼ不可能になり、国内の移動や集会の開催が困難な状況となったが、オンラインプラットフォームの整備を進めることにより、様々な活動を行うことができた。特に、領域研究会では、オンライン会議プラットフォームZoomを用いた口頭発表に加えて、ポスター発表をRemoプラットフォームを活用することで円滑に運営することができた。また、近年高騰している論文投稿費に対して、支援する取り組みを充実させた。さらに、若手研究者支援として、オンライン国際会議の参加支援をのべ9名に対して行ったとともに、新しい取り組みとして、オンラインにて第1回若手コロキウムを開催した。大学院生やポスドク研究員なども積極的に議論に参加するなど、非常に活発な交流を行えることができた。 2021年5月には国際会議「International Conference on Quantum Liquid Crystals 2021 (QLC2021)」のオンライン開催を予定しているが、その準備として、招待講演者の選定やプログラム骨子の作成などを進めるとともに、学会メーリングリストや国際会議講演等で広く周知を行った。本領域の特徴的な取り組みの一つである、動画サイト「QLCチャンネル」を最大限に活用し、オンラインでの情報発信を加速し、研究成果についてわかりやすく説明している。 以上より、本新学術領域研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに整えた運営体制をさらに強化し、引き続き領域の運営、共同研究の推進を行う。今後もしばらくの間はコロナウイルス感染症の影響で、オンサイトで大人数が集まる形での会合の開催が困難である状況が続くことが予想される。その対策として、今まで蓄積してきた種々のオンラインプラットフォームのノウハウを最大限に活用するとともに、新しい手法も取り入れることにより、新学術領域研究の活動を活発化させる予定である。 研究活動支援においては、2022-2023年度公募研究募集に関する説明会、日本物理学会の共催シンポジウム、物性科学領域横断研究会、領域研究会などをオンラインにて開催する。また、QLCセミナーについても、引き続き開催する。また、近年高騰している論文投稿費に対する支援をさらに拡大し、領域メンバーの研究費の確保につなげる。 共通設備については、大阪府立大学に集束イオンビーム加工装置を導入し、ナノ加工を用いた研究を加速させる。 若手育成支援としては、引き続き、オンライン国際会議や若手国際スクールへの参加支援を行うとともに、若手研究者の研究成果を議論し合う場として有効な、QLC若手コロキウムを複数回企画し、開催する予定である。 国際活動支援についても、困難が伴う状況であるが、2021年5月に予定している国際会議「International Conference on Quantum Liquid Crystals 2021 (QLC2021)」をオンライン開催する。特に、口頭発表ではZoom、ポスター発表ではRemoプラットフォームを活用する予定である。 広報活動では、引き続きQLCチャンネルの充実化と年2回程度のニュースレターの発行を目指し、量子液晶の概念の浸透を目指す。
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