2022 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated Sciences for Sustainable Human-Aqua Environment
Project Area | Integrated Sciences for Sustainable Human-Aqua Environment |
Project/Area Number |
21H05177
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒谷 邦雄 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (10263138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 悠一郎 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10756159)
内田 諭 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (20589254)
渡部 哲史 京都大学, 防災研究所, 特定准教授 (20633845)
伊藤 幸司 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (30364128)
鬼倉 徳雄 九州大学, 農学研究院, 教授 (50403936)
田尻 義了 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50457420)
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 副学長 (80292077)
百村 帝彦 九州大学, 熱帯農学研究センター, 教授 (80360783)
鬼丸 武士 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (80402824)
松本 朋哉 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80420305)
内海 信幸 京都先端科学大学, ナガモリアクチュエータ研究所, 助教 (60594752)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | 水共生学 / ゆらぎ / 水循環システム / 動態的解明 / 地球圏 / 生物圏 / 人間圏 / 持続的利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は本研究領域の運営方針を議論・決定する「総括班会議」および「代表者連絡会議」を6回開催した。総括班会議の実施にあわせ、総括班主催の研究会も4回開催し、キー概念に関する意見交換や先行研究のレビュー、共同研究に向けた情報共有などを実施した。また、令和4年度から開始した公募研究の内容について紹介する研究集会も実施し、公募研究との連携を進めた。さらに、各計画研究組織が持ち回りでそれぞれの研究内容を紹介しあう全体定例Web 研究会を令和4年度は9回開催した。 領域全体の成果として、令和4年度は、公開シンポジウム「めぐみの水・わざわいの水ー武雄での水共生のこれまでとこれからー」(令和4年11月6日 於武雄市)、およびワークショップ「石垣島を巡る水共生学」(令和5年2月13日 於石垣市)を開催した。共通フィールドである武雄市と石垣島で開催したこれらのイベントでは地元への具体的な成果還元についてプロジェクトメンバーと現地の様々なステークホルダーとの間で有意義な意見交換をすることができた。 また、領域メンバーが自由に参加できる合同巡検を企画し、国内の共通フィールド(道東地域や小樽、北部九州、奄美・琉球)の全ての地域において令和4年度は合計7回実施し、その結果として、例えば北部九州では「多面的な機能を持つ”ため池”を地域の人口減少の中でいかに管理するか」という課題に取り組む学際研究を開始するなど実際的な成果が上がった。 ホームページに加えて、本領域の活動を紹介する「ニュースレター」を定期的に発行する体制を整え、これまでに2号を発行し、情報発信や成果公表に努めた。 東京大学大学院工学系研究科の沖大幹氏に加えて開発経済学者として著名なアジア開発銀行研究所長の園部哲史氏に「総括班評価者」にご就任いただき、今後はお二人から、定期的に評価やアドバイスをいただくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目の令和4年度は、前年度に立ち上げた領域運営体制を維持・発展させ、領域研究全体を進展させることが大きな課題であった。この点においては、昨年度導入したSlackなどのツールを有効に活用し、連絡体制の構築や事務体制の整備をさらに進めただけでなく、必要機器の購入やそれらの領域全体に関わる共同利用も推進できた。また、定例勉強会や研究会を継続・発展させる中で、採択された公募研究課題を領域全体の研究体制の中に位置付け、連携を図ることもできた。 共同フィールドの領域全体での活用も重要な課題であったが、この点に関しては、令和4年度の7回の合同巡検や調査を全て共同フィールドで実施し、領域全体からの多数の参加者を集めることができた。また、各共同フィールドにおける各学術分野での水共生学に関連する研究プロジェクト、文献等の資料、政策・条約などの情報を集めた解説・総説を計画研究組織の枠を超えて共同で執筆し、「流域圏学会誌」に投稿する方針が決まり、既にメコン川流域と奄美・琉球の2地域に関しては原稿が完成し、投稿に至っている。このうち、メコン川流域については、残念ながら本年度も調査を実施することができなかったが、この原稿の取りまとめを契機に令和5年度の実施に向けた具体的な計画の立案に繋げることができた。 さらに、令和4年度にいずれも共同フィールドで開催したシンポジウム(武雄市)とワークショップ(石垣島)では、パネリストとして、現地で多様な活動に取り組んでいる方々からそれぞれの取り組みや地域が直面する課題などについてご報告をいただくとともに、プロジェクトメンバーと地元ステークホルダーとの議論や交流を通じて、研究者側が何を提供できるか、地元が何を望んでいるかのマッチングを行う機会とできた点は大きな成果と言える。 以上の点から、メコン川流域の共同フィールドでの調査が未実施である点を除いて、概ね順調であると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は研究期間前半の公募研究の最終年度にあたるため、公募研究で得られた成果を領域全体で共有し、活用する。異なる分野のデータや方法の統融合をさらに進めるため、複数の計画研究班を横断する形での研究会を開催する。また、共通フィールド等の調査地で、オンサイトの議論を実施できる機会をつくるため、当該地域のステークホルダーとの事前調整を進め、合同巡検などの機会を設定する。特にコロナの影響からようやく解放された今年度はメコン流域での海外共通フィールドでの調査を実施するために現地調査機関との調整を進め、具体的な計画を立案する。 さらに、令和5年度は共通フィールドである釧路市が市をあげて開催するラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)会議開催30周年のイベントと連携したシンポジウムを開催するが、地元ステークホルダーとの議論や交流を通じて社会実装に努める。 本領域の紹介や研究成果の発信を促進するため、領域のホームページやニュースレターを通じた広報をさらに進める。加えて、共通フィールドや各研究者の調査地での円滑な研究推進をサポートするため、関係者間の情報共有や調整を進め、次年度以降の研究の展開を図る。
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Research Products
(38 results)