2012 Fiscal Year Annual Research Report
対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象の総括
Project Area | Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries |
Project/Area Number |
22103001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前野 悦輝 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80181600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 由喜夫 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40212039)
浅野 泰寛 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20271637)
上田 正仁 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70271070)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | トポロジー / 量子凝縮系 / 超伝導材料・素子 / 低温物性 / トポロジカル絶縁体 / 超流動ヘリウム / 冷却原子 |
Research Abstract |
公募研究を含めた領域組織の活動をさらに有機的に活性化させ、既存分野枠を超えた共通認識と相互刺激の中から、領域目的に向けた研究成果を生み出すことを重視した。 【1. 総括班会議】5、9、3月に開催し、研究・運営の方針を協議した。【2.領域研究会・国際会議】H23年5月に名古屋大学で学際国際会議TQP2012として公開で開催し、本領域の成果を発信し、先端研究成果を共有すると共に、今後の方向性に対する共通認識を深めた。【3. 集中連携研究会】複数の計画研究班にまたがるトポロジカル量子現象の最新成果を共有するため、「トポロジカル超伝導・超流動」、「冷却原子気体のトポロジー」について、2回の研究会を開催した。【4.若手国際会議】H25年度秋に開催の第2回若手国際会議の組織委員会を立ち上げ、準備を進めた。【5. 若手相互滞在プログラム】大学院生や若手研究者が1-2週間程度「国内留学」するプログラムを実施した。【6. ニュースレター】冊子体で第3号を発行した。【7. WEB広報】 研究成果に加え領域活動の成果公開も含めた情報発信のWEBサイトを改訂してさらに充実させた。【8. 公募研究】H25・26年度の後期2ヵ年の公募研究の募集手配を行った。前期と同様、実験系と理論系の両公募枠を設けた。理論系は研究項目D01を選ぶとともに、副研究項目(A01、B01、またはC01)を明記する公募形式とする。【9. 評価班】 研究内容や領域運営についての助言・評価を頂いた。5月の学際国際会議では海外・国内のアドバイザーを招いてのアドバイザリー会議を開催した。【10. 国際連携】 カナダ高等研究機構(CIFAR)・量子物質プログラムのH24年10月の研究会に派遣予定していたが、先方の事情での計画変更のため予算を繰り越し、H25年5月の研究会に大学院生2名を含む5名が出席し、当新学術領域の成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H24年度実施の中間評価ではA+の評点をいただいた。領域代表者を中心とした総括班による様々な領域運営の取り組みが、各計画研究・公募研究の間での活発な共同研究の成果を生み、新しい研究分野を担う若手人材育成にもすでに繋がっている。本領域が創り出した言葉でもある「トポロジカル量子現象」は、世界的に予想以上の大きな研究展開の潮流を生み、本領域はもちろんその一翼を担いつつ新しい学術領域を創り出す動きに精力的に取り組めている。 集中連携研究会や領域研究会・領域国際会議での研究発表や討論からも、本領域ならではの分野横断的アプローチで相乗効果的な研究成果をうむ動きが実を結んでいると実感できるようになった。トポロジカル絶縁体の実証は既に達成できたといえ、トポロジカル超伝導と超流動との共通認識ならではの研究進展もあり、冷却原子も含む様々な物質系でのトポロジカル量子渦などの研究も大いに深化した。 さらに、当初計画では明確でなかった成果として、トポロジカル絶縁体にキャリアドープすることでトポロジカル超伝導状態を創り出し、新たな研究対象としてトポロジカル量子臨界現象に関する成果も出始めるなど、引き続き予想以上の展開で研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
領域活動に関しては、引き続き「集中連携研究会」や「領域研究会」を中心に、若手人材育成の様々な取り組みも推進する。特にH25年度には後期の公募研究メンバーを迎えるので、まず4つの計画研究ごとに「集中連携研究会」を開催し、領域目的の共有と具体的研究目標の鮮明化を図る方針である。また総括班として領域第2回目の「若手国際会議」の開催支援にも力を注ぐとともに、その他の国際的な領域連携活動にも積極的に取り組む。中間評価で指摘のあった「他の分野への波及、連携、領域全体としての方向性を一層意識し、専門外の人間にも分かるような具体性を示すことが望まれる」という点については、H25年3月に行った日本物理学会での総合講演のような取り組みをさらに分野拡張して行う機会を作る。 研究展開に関しては、領域発足当時は必ずしも十分明確にはなっていなかった「トポロジーと対称性」の深い関係についても、結晶の対称性に基づくトポロジカル普遍量の存在が明らかになりつつある。本領域でも理論と実験の連携を強く意識して、特に具体的物質での実証を進め、新たなトポロジカル物質分類にもつながるような研究を推進する。
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Research Products
(43 results)
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[Journal Article] Determining the Surface-To-Bulk Progression in the Normal-State Electronic Structure of Sr2RuO4 by Angle-Resolved Photoemission and Density Functional Theory2013
Author(s)
C.N. Veenstra, Z.-H. Zhu, B. Ludbrook, M. Capsoni, G. Levy, A. Nicolaou, J. A. Rosen, R. Comin, S. Kittaka, Y. Maeno, I. S. Elfimov, A. Damascelli
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Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 110
Pages: 097004-1-5
DOI
Peer Reviewed
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