2013 Fiscal Year Annual Research Report
対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象の総括
Project Area | Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries |
Project/Area Number |
22103001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前野 悦輝 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80181600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 竜司 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (00323783)
佐藤 昌利 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30313117)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | トポロジー / トポロジカル絶縁体 / トポロジカル超伝導 / スピン三重項超流動 / 冷却原子 |
Research Abstract |
領域活動後半での成果を特に意識して、まず各計画研究と対応する後期採択の公募研究との連携強化と目的意識の共有を図るための「集中連携研究会」を開催した。さらに領域全体としての分野横断連携を一層推進するための「領域研究会」を開催した。また、本領域の目的である「トポロジカル量子物理学」の構築に向けて一層の加速を図るため、関連の国際会議の共催や協賛を行うとともに、海外のトポロジカル量子現象に関する研究プロジェクトと国際交流・連携した。具体的活動の主なものは以下のとおりである。この他ニュースレターの発行、領域ホームページの充実なども発展させた。 【1. 総括班会議】9月、12月、3月の3回開催した。12月には国内アドバイザリーにも出席いただいた。 【2. 集中連携研究会】 各計画研究と、対応する公募研究の連携強化を推進するための研究会を6月に合計4回開催した。計画研究代表者は全員、これらの研究会にほぼ全部出席した。また、焦点を絞った研究会「Sr2RuO4の超伝導対称性とポロジカル超伝導」も開催した。 【3. 領域研究会】12月に名古屋大学で参加者120名以上を集めて公開で開催した。 【4.若手国際会議】10月に沖縄でアジア太平洋理論物理学センター(APCTP)および京都大学教育研究振興財団との共催で開催した。 【5.若手相互滞在】 国内滞在は年間で2名実施したが、この滞在から共同研究論文も生まれた。 【6. ニュースレター】冊子体で第4号を発行した。 【7. WEB広報】 研究成果に加え領域活動の成果公開も含めた情報発信のWEBサイトを改訂してさらに充実させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本領域が創り出した言葉でもある「トポロジカル量子現象」は、引き続き世界的に大きな研究展開の潮流を生み続けており、本領域はもちろんその一翼を担って新しい学術領域を創り出す動きに精力的に取り組んでいる。 集中連携研究会や領域研究会・領域国際会議での研究発表や討論からも、本領域ならではの分野横断的アプローチで相乗効果的な研究成果をうむ動きが実を結んでいる。トポロジカル絶縁体の実証は既に達成できたといえ、トポロジカル超伝導と超流動との共通認識ならではの研究進展もあり、冷却原子も含む様々な物質系でのトポロジカル量子渦などの研究も大いに深化した。 さらに、当初計画では予想されていなかった成果として、結晶構造に鏡像反転対称性がある場合のトポロジカル普遍量が明確になり、トポロジカル絶縁体の開発やトポロジカル超伝導の性質解明に応用されるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本領域の目的である「トポロジカル量子物理学」の構築に向けての5年間の成果の総まとめを特に意識して、領域を総括する活動と各計画研究・公募研究をさらに活性化するための活動を行う。まず領域全体と各計画研究の当初の目的を振り返り、その後の展開と今年度の研究の狙いについてメンバーで意識共有を図る「集中連携研究会」を開催する。また領域研究の柱の一つである「トポロジカル絶縁体」についての「集中連携研究会」も開催する。本年度の中心的活動として、領域活動の総仕上げとなるポロジカル量子現象の先端研究を結集した「領域国際会議 TQP2014」を開催する。さらに海外のトポロジカル量子現象に関する研究プロジェクトとの国際交流・連携も一層深める。
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Research Products
(28 results)