2012 Fiscal Year Annual Research Report
Regeneration Biology guides real Regenerative Medicine
Project Area | Molecular mechanisms underlying reconstruction of 3D structers during regeneration |
Project/Area Number |
22124001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿形 清和 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70167831)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再生 / 再生医療 / 器官形成 / トランスクリプトーム / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
総括班では、領域全体の目標を達成するために、①解析ツールの標準化・解析データのデジタル化を支援・推進することによって、異なる動物種間の再生研究からより普遍的な再生原理を抽出できるようにすること、②計画班での交流のみならず、公募班を加えて研究をダイナミックに展開させること、特に、数理モデルとのフィードバックを定期的に行う機会を設定して理論と実験との両方を先鋭化させていくこと、③形をつくる再生研究を幹細胞研究者へと浸透させていく―という3つの明確な使命をもって活動を行っている。本年度は、総括班の活動の強化をするために、特別講座を設置して准教授を1名雇用するとともに、前年度の試薬の納入トラブルで出遅れていた次世代シークエンサーによるシークエンス解析をフル稼働させるための技術補佐員を雇用した。それらの強化体制をもとにして、以下の活動を行った。 <再生遺伝子のデータベース化>前年度に作成した再生遺伝子のリファレンスをもとに、再生過程の時系列に応じた再生遺伝子発現プロファイル・データを追加した。その結果、計画班員や公募班員へ新規の再生遺伝子情報を提供することに成功した。 <領域内交流の促進>再生モデルの構築のため、数理モデル理論生物学者と実験再生学者との交流を定期的に行った。特に、Dachsous/Fatシステムによって、個々の細胞レベルで位置情報を作れるモデルが構築された点は、高く評価している。 <再生医療研究者との交流プラットホームの構築>6月の国際幹細胞学会/日本再生医療学会の合同年会へ参加し、領域班員が積極的に発表するとともに、再生生物学と再生医療をつなぐプラットホーム構築に向けてのランチョンセミナーを開催した。また、3月には、日本再生医療学会で、再生生物学のシンポジウムを開催した。さらに、新規の公募班の募集にあたっては、日本再生医療学会の会員MLで応募案内を配信してもらった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再生遺伝子のデータベース化については、リファレンスの作成と、再生過程の時系列に応じた発現プロファイルのデータの作成ができたが、ロッシュ454を用いたトランスクリプトーム解析ではリード数が少ないために、定量性が低いことが判明し、定量PCRを行ってより高い精度のデータ構築を行った。 領域内交流においては、数理モデル理論生物学者と実験再生学者との定期的な交流の他、イモリとカエルでの遺伝子操作を先鋭化させるための技術交流会を開催し、TALEN法やCre-loxPを使ったコンデイショナルな遺伝子発現についての情報交換を行うようになり、中間評価で指摘された点の改善についても行っている。 再生生物学と再生医療をつなぐプラットホーム構築についても、日本再生医療学会の数々のコラボレーションが始まり、理事会の了解を得て、本領域の情報を全会員MLで配信できるようになったことは大きな成果と思っている。 中間評価で指摘された、論文の数と質の両方の改善については、今後の班員の奮起を期待したい。
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Strategy for Future Research Activity |
再生遺伝子データベースについても概ね順調にいっているものの、ロッシュ454を用いたトランスクリプトーム解析ではリード数が少ないために、定量性が低いことが判明したことで、今後Illumina社製のMiseqなどの導入を考える必要がある。 領域内交流においては、新規の公募班員を迎えてのさらなる交流促進が、大きなポイントとなると思われる。班会議などでその点について留意を促す予定である。 再生生物学と再生医療をつなぐプラットホーム構築については、日本再生医療学会に限ることなく、日本炎症再生医療学会との交流、新規に発刊するjournal “Regeneration”などを使って、国内のみならず海外にもアプローチをかけていく予定である。
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Research Products
(78 results)