2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Law and Human Behavior |
Project/Area Number |
23101001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
仲 真紀子 北海道大学, 文学研究科, 教授 (00172255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 良之 明治大学, 研究・知財戦略機構, 客員研究員 (80091502)
唐沢 穣 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90261031)
久保山 力也 青山学院大学, 法務研究科, 兼任講師 (00409723)
河合 幹雄 桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (40257423)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
高木 光太郎 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (30272488)
厳島 行雄 日本大学, 文理学部, 教授 (20147698)
森 直久 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (30305883)
指宿 信 成城大学, 法学部, 教授 (70211753)
伊東 裕司 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (70151545)
白取 祐司 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10171050)
城下 裕二 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90226332)
石塚 伸一 龍谷大学, 法務研究科, 教授 (90201318)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 法と心理学 / 法意識 / 法教育 / 操作手続き / 裁判員裁判 / 司法と福祉 / 実務家との連携 / 模擬裁判 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も19の総括班・計画班・公募班が研究を行い,知見を社会に向けて発信し,そこで得たフィードバックを研究に再投入し,活動を進めた。総括班の役割は,これらの研究班の有機的連携と有機的発信を支援することである。この目的のために,以下の活動を実施した。 【1】有機的連携を強め,研究を促進するために以下の活動を行った。①研究班員や実務家・専門家が参加できる「札幌法と心理学研究会」を,北海道大学において,4,5,6,9,10,11,2月(2月は2回)の計8回開催した。②10月19日,青山学院大学にて領域内シンポジウム「法学と人間科学における学際的研究の展望と課題」を開催した。③3月2日(秋田大学での模擬裁判の前日)秋田ビューホテルにおいて,研究班員による合宿を実施した。④3月3日,秋田大学において,市民,専門家を交えた模擬裁判「いじめ問題プロジェクト -いじめ・人権・教育・法-」を実施した。 【2】研究成果を有機的に発信し,フィードバックを得るために以下の活動を行った。①実務家・専門家に対し,2回の「実務家研修」を実施した。第1回目は6月1日,岡山大学での「市民と育む法意識:法教育の理論と実践」,第2回目は9月14日,専修大学での「コミュニケーション弱者のための取り調べ技法:情報収集アプローチ」の基礎」であった。②1月12日,東京商工会議所にて,市民や専門家に向けた公開シンポジウム「『法と人間科学』という学融的領域が切り開く未来」を開催した。③HPを充実させるとともに,冊子媒体によるニューズレター2号を発行した。また,電子媒体による法と人間科学通信vol.1,vol.2を発行した。④2011年,2012年の活動をまとめた中間報告書を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各班はそれぞれ成果を上げているが,上記の【1】有機的連携,【2】有機的発信により,①研究者間で成果を共有し,②連携して研究成果を実務家・専門家,市民に提供・発信し,③フィードバックを研究に再投入できたことによる。【1】【2】の例を上げる。 【1】有機的連携:以下,①札幌法と心理研究会と②模擬裁判について述べる。①「司法面接の成果と伝聞法則―刑事裁判における書証としての利用可能性」緑大輔(北大);「裁判員の意識の変容と裁判員制度―2004年調査と2010年調査との比較検討」岡田悦典(南山大);「日本における被疑者の取調べをめぐる法心理学的問題~スキーマ・アプローチの視点から」高木光太郎(青山学院大);「心理学鑑定に必要な4つの要件」仲真紀子(北大);「供述の心理学鑑定に必要な知見は何か」森直久(札学大);「犯罪被害者による刑事裁判への参加が量刑判断に及ぼす影響の実証的研究」佐伯昌彦(千葉大);「言論の自由に関する社会的判断の発達:なぜ年少者は言論の自由を支持しないのか?」長谷川真里(横市大);「DWI Courtについて」松村良之(明治大);「尋ねられたことだけ答えて下さい―刑事裁判における証人尋問 の方式とその論理」緑;「裁判員裁判に関する意識調査より-オープン質問/クローズド質問による尋問方式が証言や量刑の判断に及ぼす影響」岡田,仲,藤田政博(関西大)。②模擬裁判は,総括班の支援を得て研究班が実施する,「法と人間科学」の目玉である。本年度は「法意識と法教育」フィールドの久保山班が河合班とともに「いじめ問題プロジェクト -いじめ・人権・教育・法-」として実施した。 【2】有機的発信:有機的発信としては,2回の実務家研修を挙げることができる。第1回は教員,弁護士等の専門家,第2回は警察官,児童相談所職員等の参加が多く,知見を提供するとともに,フィードバックを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度も支援室を基盤とし,計画班と公募班の連携を強めながら,【1】有機的連携と【2】有機的発信を行う。 【1】有機的連携としては以下のことを計画している。①北海道大学において,概ね月1回,札幌法と心理学研究会を実施し,研究報告を共有する。実務家・専門家の参加も求める。②都内にて合宿を行い,研究を活性化させるとともに,若手研究者を交えたコミュニケーションを促進する。4つのフィールドのそれぞれにおいて,研究班が連携し,報告を行うなどの企画を検討する。③伊東班,高木班,佐藤班の連携により,模擬裁判を,慶應義塾大学において行う。 【2】有機的発信を行い,フィードバックを得るために,以下の活動を計画している。①実務家研修を2回行う。第1回目は,4月に,櫻井班(「司法と福祉」フィールドの公募班「カルト被害の救済と回復-レジリアンスの視角から」)が,北海道大学において,「大学のカルト対策:被害者への具体的な援助と方策」を実施する。第2回目は,8月に,安田班(「司法と福祉」フィールドの公募班「DV被害母子支援の地域連携―福祉・心理と司法の融合に向けたアクションリサーチ」)が,立命館大学において「DV にさらされた 子どもへの支援」を実施する。②日本学術会議,日本心理学会とともに,実務家・専門家,市民を対象とした公開シンポジウム「裁判員制度をめぐる心理学的諸問題:何が課題か,どう対処するか」を東京と京都において開催する。③HPを充実させるとともに,冊子媒体によるニューズレターを発行する。また,電子媒体による法と人間科学通信vol.1,vol.2を発行する。 【3】その他:本年度は,8つの公募班が終了となり,新たに8つの公募班の応募を行う。
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Research Products
(75 results)