2012 Fiscal Year Annual Research Report
先端加速器LHCが切り拓くテラスケールの素粒子物理学~真空と時空への新たな挑戦
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104001
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅井 祥仁 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60282505)
|
Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
|
Keywords | LHC / テラスケール / ヒッグス / 超対称性 / 真空 |
Research Abstract |
本研究領域の大きな一つの柱である「ヒッグス粒子」をついに発見した。2013年度ノーベル物理学賞が直ちに与えられてことが示す様に、物理学史上極めて大きな成果であり、本領域が目指すように、素粒子分野ばかりでなく、宇宙物理学や、数理研究にも大きなインパクトがあった。本領域の計画研究A1-A4で直接この研究に携わり、ヒッグスの直接探索のみならず、そのために重要になる主要バックグラウンドの解明に取り組み、多くの成果を上げることができた。日本がこの重要な研究に大きく貢献できたのは本領域の研究成果である。総括班はこれらのA1-A4班の研究を総括し、検出器の理解を共同で進めたり、標準理論起源のバックグラウンドの解明を進めた。ヒッグスがWWに崩壊するモードは数が多い反面、ニュートリノ起源の消失運動量の評価(A2)、レプトンのIDなどの評価やWバックグラウンドの評価(A3),トップクォーク起源のバックグラウンドの評価(A4)などを共同でヒッグス研究A1班と共同でおこなった。またヒッグス粒子の一般の方の興味は著しく高く、メディア(新聞、TV,科学雑誌)を通して正しく成果を伝えると同時に、多数の一般講演会を通して積極的に発信を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究領域の大きな一つの柱である「ヒッグス粒子」をついに発見した。本領域は実験・理論が共同して、アトラス検出器の速やかで年確な理解と複雑な標準理論起源のバックグラウンドの解明を進めると同時に、発見から新しい素粒子・宇宙像の構築を行った。この研究をA1-A4で連携して行った。またこの成果を速やかに理論研究と共有し多くの新しいアイディアを生み出した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2015年度からLHCはエネルギーを約2倍に増強して、実験を再開する。本領域のもう一つの柱である「超対称性粒子」発見の期待が高まっている。また、宇宙初期のインフレーションの兆候が観測され、ヒッグス粒子の質量が125GeVであることが同定され、新しい素粒子像がおぼろげながら見えてきた。速やかに研究を遂行するために、実験・理論が共同して組織的に研究を進めていく。
|
Research Products
(6 results)