2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
23107001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 一彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90193341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
樋口 秀男 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90165093)
夏目 敦至 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30362255)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | ナノメディシン / 分子イメージング / 細胞内動態 / 細胞・組織工学 / ナノマテリアル / ナノデバイス / 分子科学 / 化学反応パラメーター |
Research Abstract |
「細胞内イメージング」が重要な共通基盤技術として利用されることから、東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻内に共焦点レーザー顕微鏡システムを設置し共有設備にしているが、共通使用の利便性を高めるために大学院博士課程学生を実験補助員として配置した。本システムの周囲には細胞培養設備を中心に、全反射蛍光顕微鏡や蛍光相関分光測定装置、正立・倒立蛍光顕微鏡など細胞内反応解析、追跡に必要な機材を集中的に配置しており、研究班員には簡便に利用することができるようにした。実際に研究者が1-2週間滞在して、集中的に実験・研究を行うことを総合的に支援し、学会発表を行った。 平成25年7月に第4回全体会議、平成26年1月に第5回全体会議、第2回国際公開シンポジウムを平成25年10月に東京(参加者75名)で開催した。さらに、台湾、英国からの関連分野の研究者を招き、日台ナノメディシン研究セミナーを国際公開シンポジウムとして主催した。日本バイオマテリアル学会、日本化学会化学、日本生物物理学会、さらに、ナノ学会バイオ部会などとシンポジウムを共催した。これらの学協会との連携は、本学術領域での成果を広く公開することができるとともに、関連分野の研究者との情報交換を活性化し、将来的な発展を誘起できる。比較的小規模の情報交換を支援・推進することを目的としたNMMSセミナーシリーズを積極的に開催し、5回開催するに至った。新学術領域研究を継続的に発展させるための若手人材育成を目的とし、研究領域に関連する若手研究者が積極的に「ナノメディシンン分子科学」に参加・議論する、「若手の会」を2回開催した。若手の会のメンバー数は増加し、40名を超えるに至っている。中高生や一般者へ向けて本学術領域の内容を紹介するアウトリーチ活動を、研究室見学、公開実験、市民公開シンポジウムへの情報提供などにより積極的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
領域内連携研究の推進を進め、総括班経費で購入し、東京大学に設置した細胞機能解析システム(細胞内分子拡散の解析機能を持つ共焦点レーザー走査型顕微鏡一式)を共通装置としており、管理者としてリサーチアシスタントを配置し、さらに、研究者が使用しやすいように既存の設備との総合的な整備を行った。これにより、細胞の培養・試料調製、細胞培養、細胞挙動の観察の一連の実験が可能となり、研究者は独自の試料を持参すれば評価が可能な状態とした。このシステムを利用して、1-2週間程度滞在して研究を行い、すでに学会発表に至っている。若手研究者育成のために、ナノメディシン分子科学若手会を実施し、これに賛同する研究者を領域外からも受け入れて議論を活発にしている。メンバー数は昨年度より135%程度の増加となっている。研究領域の国際化に対応する、国際シンポジウムを独自で開催する他、既存の関連する国際シンポジウムを協賛するなど、活発に国際交流を行なってきている。 中高生や一般者へ向けて本学術領域の内容を紹介するアウトリーチ活動を、研究室見学、公開実験、市民公開シンポジウムへの情報提供などにより30件以上積極的に行った。本年度は、領域発足から2年間が経過するにあたり、中間成果評価がなされた。評価は平成25年6月に提出の中間評価報告書による書類審査、および平成25年9月に実施された中間評価ヒアリングによりなされた。審査部会における所見では、評価はAランクであった。いくつかの指摘事項を踏まえ、今後、総括班での議論を行い、新たに採択される公募研究班も含めて、さらに発展させて行く。
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Strategy for Future Research Activity |
新学術領域の創成により細胞内分子反応の理解と考察により、正確な分子反応パラメーターが得られる。また、難治疾患治療のための革新的化学療法の開拓やコンピューター創薬の効率化、医療デバイス創製の促進、iPS細胞などの細胞ソースの製造の安定化が実現される。その波及効果として、細胞環境での分子科学の飛躍的な発展、QOLの向上を目指す低侵襲治療・診断の実現、先端医療を創出する新しい工学の確立、医療・医薬品産業の成長促進と国際的競争力の回復、および新しい学術領域を担う研究者の育成などが挙げられる。このために、計画研究班と公募研究班を総括する役割を担うとともに、平成26年度より採択された公募研究を包含し、「ナノメディシン分子科学」を創成するために必要な課題を統合し、相乗的に何倍もの成果をあげるために活動を活発にする。また、(8) 国際シンポジウムに関しては、国内外の著名な研究者を招待し、平成27年度に東京にて開催することを予定し、組織委員会、運営委員会を設立する。その際に、計画研究班研究者はもちろんのこと、可能な限り公募研究班研究者(研究期間の前・後期)も直接議論できるように時間設定をする。ここでの研究内容を踏まえて、教科書「ナノメディシンの基礎科学」の企画につなげる。
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Research Products
(3 results)