2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
23107001
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 一彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90193341)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
夏目 敦至 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30362255)
樋口 秀男 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90165093)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ナノバイオ / ナノデバイス / 細胞・組織 / 生体材料 / 生物物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は4月より新たに公募研究班として17の研究グループが加わり計画研究班9研究グループと併せて総数26研究グループ体制となり、また、6名を班友として、研究領域活動への参加をした。 総括班では、継続活動として各研究班の情報交換を、緊密にかつ円滑に遂行するために、領域研究事務局を東京医科歯科大学内に設置し、専門事務補助員を配置している。また、領域研究全体の基盤となる標準化細胞試料の提供を目的として、名古屋大学内に研究支援員を配置した。 本領域研究において、「細胞内イメージング」が重要な共通基盤技術として利用されることから、東京大学大学内に共焦点レーザー顕微鏡システムを設置し、共通使用の利便性を高めるために博士課程学生を実験補助員として配置した。本システムの周囲には細胞培養設備を中心に、細胞内反応解析、追跡に必要な機材を集中的に配置しており、研究班員、班友には簡便に利用することができるようにした。 平成26年7月に第7回全体会議を、第8回全体会議を平成27年3月を合宿制で行った。平成26年5月に日中ナノメディシンシンポジウムを主催し、第5回Taiwan-Japan Nanomedicine Symposiumも含めて、アジア諸国へのナノメディシン分子科学の情報発信を進めた。さらに、平成26年4月に、「革新的イメージングで拓く医学新領域」の主題で新学術領域ナノメディシン分子科学シンポジウムを開催した。海外からの研究者、企業との情報交換など、比較的小規模の情報交換を支援・推進することを目的としたNMMSセミナーシリーズを7回開催するに至った。新学術領域研究を継続的に発展させるための若手人材育成を目的とし、若手研究者が積極的に「ナノメディシンン分子科学」に参加・議論する、「若手の会」を実施している。中高生や一般者へ向けて本学術領域の内容を紹介するアウトリーチ活動を1 2件行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体会議、ナノメディシン分子科学シンポジウム、NMMSセミナーを積極的に開催し、全計画研究班、公募研究班および班友が、非公開で研究内容に関して集中的に討論し理解を深めるとともに、共同研究の推進、融合研究の開拓について積極的に進められるようにした。その結果、多くの共同研究が進められてきており、その成果報告も増えてきている。また、「革新的イメージングで拓く医学新領域」の主題で新学術領域ナノメディシン分子科学シンポジウムでは分析機器企業の後援により、実際に最新の測定装置を会場に設置し、講演と実際の試料観察と並行して行った。さらに、関連学術領域との連携を深めることも重要と考え、関連学協会の学会・大会にてシンポジウムを行った。ナノ学会バイオ部会国際シンポジウム(8th International Symposium on Nanomedicine (ISNM2014)(平成26年12月松山)、第6回Taiwan-Japan Symposium on Nanomedicine(平成27年1月台北)、生物物理セミナー~悪性脳腫瘍の幹細胞をみる~(平成26年6月東京)、ナノバイオメデイシン部会研究会(平成26年9月岡崎)、ナノメディシン分子科学&生物物理セミナー~骨格筋損傷における治癒メカニズム~(平成26年11月東京)を共催した。これらの学協会との連携は、本学術領域での成果を広く公開することができるとともに、関連分野の研究者との情報交換を活性化し、将来的な発展を誘起できる。新しい試みとして、「若手の会」会議(東京)を国際セミナー(ナノメディシン若手国際交流セミナー:細胞工学と組織再生医療の最前線)として実施し、広く情報を得られるように活動を進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
ナノメディシン分子科学では、これまで未開拓であった特殊な細胞環境における分子反応を定量的に理解・考察するために、分子反応パラメーターを導出することを目的としている。すなわち、細胞にフォーカスし、細胞環境下での分子反応論の確立、細胞内、細胞膜近傍の特殊環境の理解、バイオ分子の特異的反応様式の理解を基本とする学術領域の確立を図る。これにより、分子反応場となる細胞系を通して、組織、生体全体へと高次元に連携する生体システムを、各次元で、異分野に属する研究者が共通する言葉で理解・考察できるようにすることが必要で、総括班の重要な役割と位置づける。ここでは、2つの基本的目的を掲げて、独創的な研究、共同研究を推進するとともに新しい学術領域の創成を目指す。一つは、“ナノメディシン分子科学”の創成により、細胞環境での分子反応パラメーターを基盤として、生命反応の理解、病態理解の科学的根拠、医薬品や医療デバイス創製のための設計に結実し、超高齢社会に対応する、安全・安心、高効率医療の発展に大きな貢献するためのシステム形成を支援する。二つ目は、バイオ・医療産業の爆発的発展を誘引する工学的基礎情報提供と、将来的にこれを支え、より発展させることができる人材育成を積極的に行う行う。
|
Research Products
(5 results)