2013 Fiscal Year Annual Research Report
生命分子システムにおける動的秩序形成と高次機能発現の研究に関する総括
Project Area | Dynamical ordering of biomolecular systems for creation of integrated functions |
Project/Area Number |
25102001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
加藤 晃一 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (20211849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 啓文 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70290905)
平岡 秀一 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (10322538)
上久保 裕生 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (20311128)
寺嶋 正秀 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00188674)
芳坂 貴弘 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授 (30263619)
佐藤 宗太 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 准教授 (40401129)
岡本 祐幸 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70185487)
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (20223216)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 生命分子 / 超分子 / 動的秩序 / 高次機能 / 集合離散 |
Research Abstract |
本領域は、生命分子システムを構成する多数の素子がダイナミックな集合離散を通じて秩序構造を形成し、それが時間発展して高次機能を発現する仕組みを分子科学の観点から解き明かすことを目指す。これを実現するために、生命分子システムにおける「動的秩序の探査(A01班)」、「動的秩序の創生( A02班)」、「動的秩序の展開(A03班)」の3つの項目を研究の柱として設定し、物理・化学・生物の分野横断的な連携研究と新規方法論の開発を含めた実験と理論の融合研究を実施する。本領域の目的を達成するため、総括班メンバーは、全研究期間を通して領域の全体的な研究方針の統合的策定と各研究項目の企画調整等を行う。平成25年度では、主に以下の活動を通じて、異分野融合の推進と研究領域の発展に努めた。 広報活動:広く国内外の研究者に領域の認知と啓蒙を行うための領域ホームページを立ち上げ、その周知を図った。また、研究成果や各種会議の成果を掲載したニュースレターを毎月発行し、領域活動と研究進捗状況に関する情報発信を行うことができた。 公開シンポジウム・総括班会議の開催:第1回(2013年10月2日、岡崎)および第2回国際シンポジウム(2014年1月11-12日、京都)を開催した。シンポジウムには5名の外国人研究者を招聘し、関連分野の世界的な発展の状況を含めて議論することができた。これらのシンポジウムを通して、分野融合的な協力研究の打合せの場を提供し、新たな共同研究の萌芽を育てることができた。さらに、シンポジウム参加者を対象にしたアンケートを実施し、領域の活動に対する意見を集めた。また、総括班会議を開催し、相互情報交換を通して研究の進捗状況の確認や研究項目間の連携の推進、ならびに領域全体の活動方針の策定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Summer School 2013 “Bioorganizaton” (2013年8月22-24日、岡崎。岡崎統合バイオサイエンスセンターならびに総合研究大学院大学との共催)を開催し、若手研究者の育成に努めた。学際的な生命科学研究に対応できる研究者の育成を目指した本行事には29名の外国人学生・研究者を含む70名の参加者があり、アジア諸国との相互交流を成功裡に実施することができた。また、Sixth Korea-Japan Seminars on Biomolecular Science: Experiments and Simulation(2013年11月25-27日、岡崎。分子科学研究所との共催)を通して、日本-韓国間の研究連携を深めるともに、実験分野とシミュレーション分野の融合を推進した。さらに、分野横断的な研究の発展に貢献するためにIGER International Symposium on Science of Molecular Assembly and Biomolecular Systems 2014 (名古屋)、機能超分子化学ミニシンポジウムなどの関連シンポジウムを共催したほか、Pure and Applied Chemistry International Conference (PACCON) 2014(タイ)などの国際会議において、領域の成果発信と啓蒙活動を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本領域の目的を達成するために、総括班は、これまで異なるフィールドで活躍してきた科学者の学際的な議論と連携を可能とする“知の梁山泊”としての本領域の機能を重視し、各班が研究項目の垣根を越えて緊密に連携する環境を構築する。引き続き、以下の活動を通じて異分野の融合を推進し、研究領域の発展に努める。 1.総括班会議の開催:計画研究、公募研究を通した全体的な研究の発展と分野融合に気を配り、活動のバランスと発展に対して提言を行い、領域形成の達成に向けて必要な行動を行う。異分野融合や若手研究者を基軸とする班内・班間の共同研究を重視し、必要に応じた特別プロジェクト用の援助を、全総括班員の意見交換を通じて決定する。 2.全体会議、若手の会、学術集会におけるシンポジウムの開催:全体会議の実施に加え、若手研究者の視野を広げ、共同研究活動と成果発表の舞台を与えるための機会を積極的に設ける。その際には、特定の共通課題に焦点をあてて、理論と実験の立場からの見解をぶつけあい、化学、物理、生物学の専門分野の垣根を越えたディスカッションが進展することを重視する。また、議論を領域外にも拡張することを意図し、いくつかの学会において問題意識を共有するためのシンポジウム等の企画を促す。 3.公開ワークショップの開催:広く国内外の研究者に開かれたワークショップを開催し、研究領域の発展に努めるとともに異分野の融合を図る。 4.研究成果の発表:研究成果や各種会議の成果を領域ホームページやニュースレターに掲載し、情報提供と研究進捗状況の発信を行う。あるいは学術雑誌記事として広報していく。
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Research Products
(105 results)
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[Journal Article] Structural basis for proteasome formation controlled by an assembly chaperone Nas22014
Author(s)
T.Satoh, Y.Saeki, T.Hiromoto, Y.-H. Wang, Y.Uekusa, H.Yagi, H.Yoshihara, M.Yagi-Utsumi, T.Mizushima, K.Tanaka, and K.Kato
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Journal Title
Structure
Volume: 22
Pages: 731-743
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Backbone 1H, 13C, and 15N assignments of yeast Ump1, an intrinsically disordered protein that functions as a proteasome assembly chaperone2014
Author(s)
Y.Uekusa, K.Okawa, M.Yagi-Utsumi, O.Serve, Y. Nakagawa, T.Mizushima, H.Yagi, Y.Saeki, K.Tanaka, and K.Kato
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Journal Title
Biomol. NMR Assign.
Volume: 8
Pages: 383-386
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] An archaeal homolog of proteasome assembly chaperone forms a homotetramer and functions as proteasome activator2013
Author(s)
Kentaro Kumoi, Tadashi Satoh, Kazuyoshi Murata, Takeshi Hiromoto, Tsunehiro Mizushima, Yukiko Kamiya, Masanori Noda, Susumu Uchiyama, Masaaki Sugiyama, Hirokazu Yagi, and Koichi Kato
Organizer
Sixth Korea-Japan Seminars on Biomolecular Sciences: Experiments and Simulations
Place of Presentation
岡崎コンファレンスセンター(愛知県)
Year and Date
20131125-20131127
Invited
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[Book] 揺らぎ・ダイナミクスと生体機能2013
Author(s)
寺嶋正秀、加藤晃一、芳坂貴弘、佐藤啓文、岡本祐幸(寺嶋正秀編)
Total Pages
368(3-27,69-79,91-102,116-121,159-169,194-203)
Publisher
化学同人
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