2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Empathic system |
Project/Area Number |
25118001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 壽一 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (30172894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒井 章治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (50420469)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 共感性 / データ管理 / 動物倫理 / シンポジウム / 若手支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度前半は、中間評価報告書作成の取り纏め、提出、および文部科学省ヒアリングのための準備に注力しつつ、例年行っている、領域関係者向けチュートリアルの開催、日本動物心理学会年次大会での共感性シンポジウムの企画、運営などを行った。チュートリアルは9月5日に開催したが、今年度は外部からも講師を招き(国内2名、海外1名)、内容の充実を図った。後半は昨年同様、12月に行われた包括脳冬のシンポジウムで、新学術「自己制御精神」領域と共催でシンポジウム「個体と社会の関係を科学する」を開催した。その他、各計画班主催のシンポジウム、ワークショップとの共催4回を通じて、領域の認知度向上、最新の研究成果の発信に努めた。また、領域関係者から寄せられた共感性研究についての最新の知見を纏め上げた、心理学評論特集号「共感性の進化と発達」を刊行し、共感性研究の認知度アップを図った。 平成28年7月に予定されている国際シンポジウムのプログラムの検討、招聘者の来日に向けた調整を行うとともに、告知のためのシンポジウム専用ウェブサイトの開設、ポスター・チラシなどの作成、配布など、集客のための施策を実施した。 平成28年1月には、第3回領域会議を東京大学本郷キャンパスで開催し、延べ80名が参加した。会議の冒頭に長谷川代表より、中間評価結果Aを踏まえつつ、指摘された課題(共感性に関与する遺伝子、分子群の同定や、その多様性と機能の解析の進捗がやや遅れている)をクリアするために残りの2年で何を目指し、そのために領域全体で何をサポートすべきかを再認識するよう呼びかけがあった。 若手育成については、チュートリアル、領域会議ともに若手のポスター発表を奨励し、旅費の支援を行った。また、若手研究者を特定の技術習得のため、奈良先端科学技術大学院大学へ長期で派遣しその費用を援助するなど、領域内の若手育成のための施策を積極的に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中間評価でも指摘されたように、研究領域全体としては、A01(共感性の比較認知研究)、C01(共感性の分子・回路基盤の解明)項目において、特筆すべき成果をあげることができ、着実に成果が上がってきている。B01(共感性の進化モデル)項目についてはやや進捗に遅れが見られると指摘されたが、この目標の達成は容易ではないため、残りの2年で総括班を中心に公募班まで含めた本研究領域全体でサポートする体制を整える。後期公募班の選考においても、B01の成果に繋げる助けとなるような研究を選択している。研究支援面では、昨年度に引き続き、領域内連携を活性化すべく、3つの研究支援基盤を有効活用し、ラボ間交流や、勉強会の実施を通して領域内情報の共有化を図った。運営面では、多数のシンポジウムやワークショップを共催することで、本領域の研究成果を効果的に発信することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
後期公募班の参入によって、新たな連携を図り、最終的な目標の達成に向けて、さらなる共同研究や連携研究を生み出せるよう、既存の研究支援基盤をフル活用する。また領域会議のみにとどまらず、いろいろな機会を捉え、日本全国に点在している研究班が一堂に会し、情報交換、情報の共有ができるように配慮する。 アウトリーチ活動についても、総括班が中心となり積極的に研究成果を対外的に発信できるよう、HPの更新、ニュースレターの発行などに注力する。また、7月に国際シンポジウムを共催し、日本のみならず世界に向けて共感性領域の存在感をアピールする。 若手育成についても、引き続き、研究技術習得のためのラボ間交流の支援を行っていく。また領域会議内で研究成果をポスター発表する機会を設け、若手の積極的な参加を促すため、優秀発表者への旅費支援など継続して実施する。 国際活動支援班とも連携し、若手研究者の海外長期派遣や海外若手研究者の受入についても領域横断的に状況を把握し、育成支援を行っていく。
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Research Products
(2 results)