2013 Fiscal Year Annual Research Report
こころの時間学 ―現在・過去・未来の起源を求めて―
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
25119001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北澤 茂 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00251231)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | こころの時間学 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は過去と現在と未来を区別して生きている。このヒト特有の時間の意識―こころの時間―は、どこから生まれてくるのか。本領域は現在、過去、未来にわたる「こころの時間」の成り立ちを、心理学、生理学、薬理学、臨床神経学を専門とする神経科学者と、ヒト特有の時間表現に精通した言語学者と哲学者、こころの起源を追究する比較認知科学者との間で共同研究を展開することで解明し、新たな学問領域「こころの時間学」を創出することを目指している。 総括班の役割は1) 班員相互の情報共有と議論の場を設けること、2)連携研究を推進すること、3)研究成果を広報し社会にアウトリーチすること、である。以上の役割を実現するために、企画実行委員会は2013年9月のキックオフシンポジウムと2回の班会議の他、5回の共催・主催シンポジウムを企画し実行した。さらに「こころの時間学」を主題にした論文誌特集号の出版を企画し、神経研究の進歩誌(2013年8月号、特集、こころの時間学)とBrain Medical誌(2014年3月号、特集、脳とこころの時間)にて実現した。連携研究推進委員会は連携研究の推進を担当し、連携研究推進のために提供可能な研究設備や研究手法を把握して一覧を作成し、班員間交流の希望をとりまとめて支援した。また、若手研究者の旅費支援を行った。広報委員会は本領域の目的と研究成果を領域のHPとfacebookを通じて効果的に発信した。さらに3名の外部アドバイザーより、大所高所からのアドバイスをいただいて領域運営の改善に生かした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
総括班の役割は1) 班員相互の情報共有と議論の場を設けること、2)連携研究を推進すること、3)研究成果を広報し社会にアウトリーチすること、である。1)に関しては、キックオフシンポジウムと班会議の他にも、多くの共催・主催シンポジウムを企画して実行した。さらに、2誌にて特集号を出版した。2)に関しては、班会議の際にアンケートをとるなどして連携の可能性を探り、サポートした。3)に関しては、通常のHPに加えて、Facebookも立ち上げ、機動的な広報を行った。さらに班員が高校生等を対象として11件のアウトリーチ活動を行った。以上の点からおおむね順調に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
総括班は引き続き1) 班員相互の情報共有と議論の場を設けること、2)連携研究を推進すること、3)研究成果を広報し社会にアウトリーチすること、を目的として研究を推進していく。 すでに邦文誌では2回の特集号を出版したので、今後は英文誌での特集を企画して、広く世界に成果を発信して、本領域のプレゼンスを確立する。さらに、海外の一流研究者を招いたシンポジウムを開催して、議論するとともに、成果を発信する。また、領域内の連携研究を加速するとともに、若手研究者を対象にしたワークショップ等を開催し、新たな学問領域「こころの時間学」の確立に向けた努力を続けていく。
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Remarks |
「こころの時間学」に関する特集号は下記の通り。特集号に掲載された個々の論文は各班の業績として別途記載している。1) Brain Medical 2014年3月号 特集 脳とこころの時間(メディカルレビュー社)2)Brain and Nerve 神経研究の進歩 2013年8月号 特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて (医学書院)
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Research Products
(2 results)