2017 Fiscal Year Annual Research Report
広天域深宇宙のイメージングによる加速宇宙の暗黒成分の研究
Project Area | Why does the Universe accelerate? - Exhaustive study and challenge for the future - |
Project/Area Number |
15H05892
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
宮崎 聡 国立天文台, 先端技術センター, 准教授 (20290885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 唯史 国立天文台, 天文データセンター, 准教授 (10300708)
古澤 久徳 国立天文台, 天文データセンター, 助教 (10425407)
小宮山 裕 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (20370108)
山田 善彦 国立天文台, ハワイ観測所, 特任専門員 (30751010)
田中 賢幸 国立天文台, ハワイ観測所, 准教授 (50589207)
大栗 真宗 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60598572)
浜名 崇 国立天文台, 理論研究部, 助教 (70399301)
中野 淳 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70735620)
川野元 聡 国立天文台, ハワイ観測所, 専門研究職員 (90727398)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 観測的宇宙論 / 装置開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要課題であるHSCによる広視野サーベイ観測は平成29年度末の段階で、全体計画の300晩のうち、およそ180晩の観測が完了した。しかしながら、平成29年11月から平成29年度末まで続いている、マウナケア史上まれにみる悪天候の影響で、この間の観測の進捗がほとんど見られなかった。このため全体としては計画の70 %程度の進捗率に留まっており、対策が必要な状況にある。HSCの検出効率の時間変化を監視・記録する校正装置の開発については、光源および単色光生成装置(モノクロメータ)のドーム内への設置、光源と光のプロジェクターを結ぶ光ファイバーバンドルの望遠鏡への設置を行った。一部のプロジェクターの設置は時間の都合でできていないが、概ね全系の設置が完了した。 Photo-Z推定を機械学習の手法で行い、従来の色の情報に、銀河形状を組み合わせることで、推定精度の向上を図った。この結果、外れ幅が大きい推定値(アウトライアー)を低減することができ、全体として推定精度は向上した。5バンドの観測値に基づく精度としては、世界一線のレベルに達したと考えている。 新規開発であるCMOSは平成29年度末に2560 x 10000 pixel (7.5ミクロン角ピクセル)最初のプロトタイプが完成し、試験評価を行っている。 平成30年2月には、探査観測の初期に取得した160平方度分に基づく初期成果を取りまとめた論文特集号(全40編)をPASJより出版することができた。主要な成果は(1) 深いデータを活かし、赤方偏移が1を超える銀河団まで特定することができた Oguri et al. 2018 (2) 弱重力レンズ質量マップ上のピーク特定をこれまでにない広さで行い、理論予想より数が少ないことを示し、標準的な宇宙モデルでは説明できない可能性を示唆した (Miyazaki et al. 2018)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
観測の進捗が当初の70 %にとどまり、遅れている。一方、初期成果についてはその限られた統計の範囲内では最大限の成果をあげられたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年末までに残りの120晩の観測夜が割り当てられる予定であるが、現在観測計画の見直しを行っている。また、追加観測のためのプロポーザルの準備を行う予定である。 校正装置では、光源装置の低温下での点灯安定性に課題があることが判明したため、点火前保温装置を追加することとし、準備を行っている。 Photo-Zについては、開発は終了したので、実際の解析パイプラインに組み込む作業を行い、次のデータリリースに適用することを目標としている。 CMOSは平成30年度に度2次の試作を予定している。1回目は前年度設計したマスクを用いた素子を裏面照射化したもの、2回目は不具合を改善したマスクを用いた素子(表面入射)である。平成31年度の4次試作(最終試作を予定)で、改善マスクの裏面照射素子を開発する予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Hyper Suprime-Cam: Camera dewar design2018
Author(s)
Komiyama Yutaka、Obuchi Yoshiyuki、Nakaya Hidehiko、Kamata Yukiko、Kawanomoto Satoshi、Utsumi Yousuke、Miyazaki Satoshi、Uraguchi Fumihiro、Furusawa Hisanori、Morokuma Tomoki、Uchida Tomohisa、Miyatake Hironao、Mineo Sogo、Fujimori Hiroki、Aihara Hiroaki、Karoji Hiroshi、Gunn James E、Wang Shiang-Yu
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Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: 70
Pages: S2-1:S2-39
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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