2018 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝統計学とビッグデータの邂逅がもたらす新たながんゲノム創薬
Project Area | Conquering cancer through neo-dimensional systems understanding |
Project/Area Number |
15H05911
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 随象 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70727411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌谷 洋一郎 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00720880)
川上 英良 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, ユニットリーダー (30725338) [Withdrawn]
浦山 ケビン 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 部長 (60726850)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝統計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シークエンサーやSNPマイクロアレイに代表されるヒトゲノム解析技術の発展により、がんを含む多彩なヒト疾患の感受性遺伝子や遺伝子発現プロファイル等のエピゲノム情報が大量に得られる時代となった。一方で、大規模ビッグデータを横断的に統合するデータ解析学問の開拓や、大規模疾患ゲノム情報を活用した新規創薬開発には改善の余地が指摘されている。本研究計画は、遺伝情報と形質情報の因果関係を統計学の観点から評価する学問である遺伝統計学を活用し、大規模ヒト疾患ゲノム解析情報を活用することで、どのようにがん疾患病態の解明や新規創薬に迫れるかを目的とする。 本年度の研究においては、次世代シークエンス技術を用いたヒト白血球型抗原(HLA)遺伝子の詳細なシークエンス解析を日本人集団1120名を対象に実施した。非線形の機械学習手法tSNEを適用することで、日本人集団の血液型のパターン分類が可能になることを示した。これは、複雑なヒトゲノム情報の解釈において機械学習手法が有用であることを示した結果と考えられた。構築したHLA imputation法の参照データに基づき、多彩な疾患ゲノム情報におけるHLA遺伝子型の推定を実施した。肝癌や肺癌など、一部の悪性腫瘍における疾患感受性HLA遺伝子型の同定を行った。 また、遺伝統計学分野を担う若手人材の育成を目的に、ヒトゲノムデータ解析の講義・実践演習を行う夏期短期セミナー(遺伝統計学・夏の学校@大阪大学)の第3回目を実施し、好評を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HLA imputation法の日本人集団にける実装により、複数の悪性腫瘍を含む多彩なヒト疾患において、遺伝的背景における白血球の血液型の関与を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
HLA imputation法の改良と、更なるがん疾患への拡大適用を進めていく。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Genetic and phenotypic landscape of the major histocompatibilty complex region in the Japanese population.2019
Author(s)
Hirata J, Hosomichi K, Sakaue S, Kanai M, Nakaoka H, Ishigaki K, Suzuki K, Akiyama M, Kishikawa T, Ogawa K, Masuda T, Yamamoto K, Hirata M, Matsuda K, Momozawa Y, Inoue I, Kubo M, Kamatani Y, Okada Y.
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Journal Title
Nat Genet
Volume: 51
Pages: 470-480
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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