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2017 Fiscal Year Annual Research Report

消化管ペプチドから見た情動・社会行動の発露、こころのゆらぎと変容の神経内分泌機構

Planned Research

Project AreaCreation and Promotion of the Will-Dynamics
Project/Area Number 16H06404
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

乾 明夫  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80168418)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 浅川 明弘  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (10452947)
須藤 信行  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60304812)
佐久間 英輔  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90295585)
Project Period (FY) 2016-06-30 – 2021-03-31
Keywords食環境 / 腸内環境 / 体内環境 / 消化管ペプチド / 腸内フローラ
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度に続き、こころの発達・意欲を阻む原因を解明するため、社会-脳内-体内環境相関の全人的ループのバランス破綻のメカニズムの検討を行った。鹿児島大学においては、認知機能の低下におけるfractalkine-CX3CR1シグナルの関与を明らかにする目的で、糖尿病モデルマウスの学習記憶障害について検討した。その結果、血中corticosteroneレベルの増加およびinsulin-like growth factor-1(IGF-1)の減少、さらに海馬のfractalkineおよびCX3CR1 mRNA発現の減少が認められた。正常マウスへのCX3CR1アンタゴニストの投与にて学習記憶障害が誘発されるとともに、dexamethasoneの投与にて、血中IGF-1の減少、海馬のfractalkineおよびCX3CR1 mRNA発現の減少が認められた。九州大学においては、神経性やせ症患者の腸内細菌叢を無菌マウスへ移植して作製した人工菌叢マウス(ANマウス)の特徴について、健常女性の腸内細菌叢を無菌マウスへ移植したコントロール群(HCマウス)と比較、検討した。まずANマウスの腸内細菌叢は移植したドナー患者の腸内細菌叢を反映した構成となっていた。ANマウスではHCマウスと比較し、エサの摂取量に対する体重増加率(栄養効率)が不良であった。またANマウスでは不安と関連した行動に異常が認められた。名古屋市立大学においては、自閉症、ひきこもりなどの動機付けに掛かる心身発達の障害病態脳にて、神経免疫系の病的な活性化が惹起される神経病理を紐解くことをねらいとし、自閉症などの病態モデル動物で脳内ミクログリアの毒性転化を来すニューロン・グリア相関破綻の分子基盤を解析した。その結果、母仔分離による自閉症病態モデルラットで、自閉症様行動の発現期(およそ2ヶ月齢)に脳内ミクログリアが活性化すること、また、それに先んじ、ニューロン由来の可溶性fractalkineの産生が著増することが確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

糖尿病モデルマウスの学習記憶障害に海馬のfractalkine-CX3CR1シグナルの低下、グルココルチコイドおよびIGF-1が関与していることを明らかにした。神経性やせ症においては、腸内細菌叢が体重・行動異常の病態に関与している可能性が示唆された。また、自閉症病態モデルを用い、ニューロン・グリア相関破綻の分子基盤において、一部の機序を解明した。これらの知見は、本研究課題において次年度以降に予定している詳細な機序の解析と臨床応用への探索研究の実施に有用であると考えられ、今後、これら成果を活かしたモチベーション障害脳の新たな診療標的の提案が見込まれる。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度以降においても、引き続きこころの発達・意欲を阻む原因を解明するため、脳内報酬系を中心に、社会・環境因子、ミクログリア・消化管ペプチド・腸内フローラなどを解析対象にして、社会-脳内-体内環境相関の全人的ループのバランス破綻のメカニズムの検討を行う。鹿児島大学においては、fractalkine-CX3CR1シグナルを中心に高脂肪食飼育マウス、糖尿病モデルマウスにおける食欲・抑うつ・不安・記憶・学習に関する解析を行う。九州大学においては、ANマウスにおける不安と関連した行動異常の詳細な機序について検討を行う。名古屋市立大学においては、自閉症病態モデルにおけるニューロン・グリア相関に焦点を当てた治療ターゲットの探索を行う。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Potential implication of SGK1-dependent activity change in BV-2 microglial cells.2018

    • Author(s)
      Asai H, Inoue K, Sakuma E, Shinohara Y, Ueki T.
    • Journal Title

      Int J Physiol Pathophysiol Paharmacol

      Volume: in press Pages: in press

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Regulation of gut luminal serotonin by commensal microbiota in mice.2017

    • Author(s)
      Hata T, Asano Y, Yoshihara K, Kimura-Todani T, Miyata N, Zhang XT, Takakura S, Aiba Y, Koga Y, Sudo N.
    • Journal Title

      PLoS One

      Volume: 6;12(7) Pages: e0180745

    • DOI

      10.1371/journal.pone.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 脳内fractalkine-CX3CR1シグナル:1型糖尿病モデルマウスの学習記憶障害における病態生理的意義2017

    • Author(s)
      河村菜実子、勝浦五郎、森永明倫、浅川明弘、乾 明夫
    • Organizer
      第90回日本内分泌学会学術総会
  • [Remarks] 本領域の領域代表と全計画研究代表者が講師を務めるオープンカレッジ開催(対象:市民200名。全8回)

    • URL

      http://www.nagoya-cu.ac.jp/science/contribution/report/007791.html

URL: 

Published: 2018-12-17  

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