2018 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of singularity structure by top-down method based on thermal equiburium condition
Project Area | Materials Science and Advanced Elecronics created by singularity |
Project/Area Number |
16H06415
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三宅 秀人 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 教授 (70209881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 鈴衣奈 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10635197)
荒木 努 立命館大学, 理工学部, 教授 (20312126)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 窒化アルミニウム / 高温アニール / 深紫外LED / スパッタ法 / AlGaN |
Outline of Annual Research Achievements |
AlN成膜時の基板温度、RF出力をそれぞれ600℃、700 Wで固定し、チャンバー圧力を0.03 - 0.4 Paで変化させて、サファイア基板上に膜厚160 - 850 nmのAlNを堆積させた。成膜時のAlNへの圧縮応力蓄積により、高温アニール時に発生する引っ張り応力への耐性が向上し、1700℃の高温アニールを施した後のAlN(10-12)回折XRC-FWHM値と成膜圧力およびAlN膜厚の関係から、成膜圧力にかかわらず、膜厚の増加に伴いAlN(10-12)回折XRC-FWHM値が低減していることから、結晶性の向上が示唆された。膜厚の増加に伴い高温アニール中のドメインサイズの拡大がより容易になったことにより、結晶性が向上した。アニール温度が1700℃の場合は、成膜圧力0.05 Paで151 arcsec (AlN膜: 482 nm)、0.03 Paで143 arcsec (681 nm)の(10-12)回折XRCでFWHM値が得られた。スパッタ膜厚480nm、アニール温度1725℃のAlNテンプレート上にAlN をMOVPEでホモエピ成長を行った試料で、転位密度は2.07×10^8 cm-2に到達した。 MOVPE法によりバッファ層を堆積した後、3マイクロメートルのAlN膜の成長を行ったAlNでは、XRCのFWHM値は(0002)回折で約200arcsec、(10-12)回折で約400arcsecである。この試料では、螺旋成分を有する貫通転位の存在により、1マイクロメートル×1マイクロメートル領域でも数個のステップ乱れが見られる。一方、180nmのAlN膜をスパッタ法で堆積し、それを1700℃で3時間のアニールを行い、このテンプレート上にMOVPE法により2.8マイクロメートルのAlN膜を成長させた試料では、XRC-FWHM値は(0002)回折で約25arcsec、(10-12)回折で約230arcsecである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高効率AlGaN深紫外LED実現のためには、高品質AlN/サファイア テンプレートが求められている。サファイアを基板に用いたAlN膜は、大きな格子不整合により高密度な貫通転位が発生し、その密度を109 cm-2以下に低減するためには、従来から用いられてきたMOVPE法では、パルス法などのバッファ層を用いた場合でも2-3マイクロメートル以上の厚いAlN層が不可欠であった。我々のグループでは、AlN 膜をRFスパッタ法により成膜(Sp-AlN)してFace-to-Face配置の高温アニールにより、簡便に低転位密度のAlN膜が作製可能であることを示した。また、Sp-AlNの高温アニールによる結晶性良化メカニズムを透過電子顕微鏡観察より明らかにした。 高効率AlGaN深紫外LED実現のためには、高品質AlN/サファイア テンプレートが求められている。サファイアを基板に用いたAlN膜は、大きな格子不整合により高密度な貫通転位が発生し、その密度を109 cm-2以下に低減するためには、従来から用いられてきたMOVPE法では、パルス法などのバッファ層を用いた場合でも2-3マイクロメートル以上の厚いAlN層が不可欠であった。我々のグループでは、AlN 膜をRFスパッタ法により成膜(Sp-AlN)してFace-to-Face配置の高温アニールにより、簡便に低転位密度のAlN膜が作製可能であることを示した。また、Sp-AlNの高温アニールによる結晶性良化メカニズムを透過電子顕微鏡観察より明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
スパッタアニールAlNテンプレート上にAlGaNを成長させる際の課題として、ヒロック構造形成の抑制であることが明らかとなった。その対策として、オフ角の大きい微傾斜サファイア基板を用いた。基板のオフ角を増大させることでスパッタアニールAlNテンプレート上に成長したAlGaN層のヒロックが縮小し、それに伴って、AlGaN層の上に形成したMQWs構造からの発光効率の向上と発光波長の均一化が確認された。また、スパッタアニールAlNテンプレート上に形成したMQWsは、基板のオフ角やヒロック形成の有無に関わらず、MOVPE-AlNテンプレート上に形成したMQWsよりも高い発光効率が得られる可能性がある。今後、DUV-LED応用に向けたスパッタアニールAlNテンプレートのさらなる最適化に取り組む。 また、サファイア基板の凹凸可能などにより、界面で歪み制御を可能とする構造を検討する。
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