2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of trapping/scattering dynamics of carriers in crystal singularity by means of positron annihilation
Project Area | Materials Science and Advanced Elecronics created by singularity |
Project/Area Number |
16H06424
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上殿 明良 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20213374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 永康 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 分析計測標準研究部門, 研究グループ長 (00391889)
角谷 正友 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 材料研究機構・機能性材料研究拠点, 主席研究員 (20293607)
石橋 章司 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 機能性材料コンピュテーショナルデザイン研究センター, 研究チーム長 (30356448)
奥村 宏典 筑波大学, 数理物質系, 助教 (80756750)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 結晶 / 空孔型欠陥 / キャリア捕獲 / 陽電子消滅 |
Outline of Annual Research Achievements |
陽電子ビームを用いて、GaN中の空孔型欠陥が光照射により励起された電子を捕獲する過程を評価した。陽電子消滅γ線ドップラー拡がり測定を、光エネルギーの関数として測定した。得られたS値の光エネルギー依存性から、GaN中の炭素と空孔型欠陥で電子の移動が起こっていることが明らかになった。また、炭素濃度を広範囲に変化させた試料を測定することにより、炭素による電子捕獲の詳細が明らかになった。 陽電子マイクロビームの改良を実施した。陽電子ビームの直径が100マイクロメートルとしたときの、ビームの安定性を確保するため、ビーム光学系の電場・磁場の出力を安定化するシステムを開発した。また、陽電子測定制御ソフトを導入したことで、陽電子マイクロビームのスポット径を効率的に調整することが可能となった。 第一原理材料シミュレータQMASを用いて、AlGaN、InGaN、AlInN中のカチオン空孔と窒素空孔の複合体での陽電子の状態と対応する消滅パラメータを計算し、欠陥周囲の局所構造パラメータなどとの相関を解析した。 AlN試料にSiイオンを注入し、窒素雰囲気下において熱処理することによりイオン注入損傷の回復を試みた。イオン注入時および熱処理時に発生した点欠陥の熱処理温度依存性を陽電子消滅法により調べた。 サファイア基板上に成長したGaNならびにInxGa1-xN薄膜を光熱偏向分光法(PDS)で評価し、価電子帯上端近傍の状態密度やバンドギャップ内の深い準位欠陥を評価した。In組成増加に伴い、構造乱れが誘起され、価電子帯直上のバンドが変化する状態を確認した。これらの測定により、PDSで構造の評価ができることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Siイオンを注入したAlN試料に対して、高温焼鈍後の電気的特性を調べたところ、電気伝導性が得られた。窒素極性面でも同様の傾向が得られた。イオン注入によるAlNの伝導性の制御は極めて困難であると予想されたが、今後の展開が期待できる結果となった。 光熱偏向分光法でInGaN薄膜の構造乱れ(Urbachエネルギー)を評価することができた。現在は、InGaNの特異的特性を評価する特異構造の指標について検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したビーム光学系電源安定化システムの調整を行い、陽電子ビーム径が100マイクロメートル以下で安定的に保持できることを確認する。位置分解能を安定化させた陽電子マイクロビームをパルス化し入射エネルギーを調整して陽電子寿命を測定することで、様々な試料の局所的な特異構造の点欠陥を評価する。 第一原理材料シミュレータを用いて、窒化物半導体およびその合金など半導体材料における様々な点欠陥について、陽電子状態・消滅パラメータを計算し、実験結果との比較を容易にするために構築したデータベースを更新する。欠陥周囲の局所構造と陽電子消滅パラメータを関連付ける回帰モデルを構築する。 AlN試料へのSiイオンとHイオンの同時注入や、Geイオン注入によるn型化を試みる。窒素雰囲気下での高温熱処理後に陽電子消滅法による点欠陥評価を行い、点欠陥の注入イオン種依存性を調べる。電気的特性に影響を与える点欠陥発生を抑制する条件を模索し、n型AlN試料の電気的特性向上を図る。得られた知見を元に、Siイオン注入法を用いたAlN MOSトランジスタを作製する。 InGaNに加えてイオン注入した試料、Al2O3/GaNの酸窒化物界面構造などを光熱偏向分光法でも評価し、分光学的に得られるギャップ内準位欠陥と陽電子消滅で得られる情報とを比較しながらIII-V族窒化物の欠陥の学理構築に貢献する。
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Research Products
(30 results)
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[Journal Article] Determination of the transition point from electron accumulation to depletion at the surface of In x Ga1- x N films2018
Author(s)
X. Sun, X. Wang, S. Liu, P. Wang, D. Wang, X. Zheng, L. Sang, M. Sumiya, S. Ueda, M. Li, J. Zhang, W. Ge and B. Shen
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Journal Title
APEX
Volume: 11
Pages: 021001(1-4)
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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