2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Neo-virology: the raison d'etre of viruses |
Project/Area Number |
16H06433
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 寧 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60292984)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | ウイルス / HSV / 潜伏感染 / 共生維持機構 / 免疫回避機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究領域の目的である「長年、病態発現機構に偏重した解析がなされてきたウイルスを、地球生態系の構成要素として捉え直し、地球生態系の恒常性維持機構に果たす意義を解明する」を鑑み、本研究では単純ヘルペスウイルス(HSV: herpes simplex virus)をモデルとして、ヒトにおいて唯一潜伏感染するヘルペスウイルスの宿主との共生の成立・維持機構や感染享受ともいえる潜伏感染の生理学的意義を、腸内細菌叢との相互作用を含め、多面的に解析することを目的としている。 今年度は、HSVと宿主との共生維持機構に関して解析を行った。その結果、宿主との共生維持に重要と考えられる宿主の獲得免疫および自然免疫からの新たなHSV回避機構を明らかにした。具体的には、HSVがコードするプロテインキナーゼUL13が細胞傷害性T細胞の応答を抑制すること、また、HSVの粒子タンパク質であるVP22が免疫炎症反応の誘起に重要なインフラマソームの活性化を迅速かつ極めて効率的に抑制することによって、生体レベルにおけるウイルスの宿主との共生が可能となることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
HSVと宿主との共生維持を可能とする免疫回避機構に関しては、古くから精力的に解析されてきたが、生体レベルで有効な免疫回避機構に関しては、長い間未解明であった。 今回、生体レベルで有効なHSV免疫回避機構を複数明らかにし、評価の高い国際学術誌(J. Clinical Investigation; Cell Host and Microbe)において発表すると共に、2度のプレスリリースを行い成果を広報した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続き、HSVの宿主との共生維持機構に関して、HSVの宿主免疫回避機構や感染維持に必要な機構を中心に解析を行う。また、HSV潜伏感染モデルマウスを用いて、HSV潜伏感染の生理学的意義を、腸内細菌叢への影響を基軸として多面的に解析する。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Herpes simplex virus-1 evasion of CD8+ T cell accumulation contributes to viral encephalitis.2017
Author(s)
N. Koyanagi, T. Imai, K. Shindo, A. Sato, W. Fujii, T. Ichinohe, N. Takemura, S. Kakuta, S. Uematsu, H. Kiyono, Y. Maruzuru, J. Arii, A. Kato and Y. Kawaguchi.
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Journal Title
The Journal of Clinical Investigation
Volume: 127
Pages: 3784-3795
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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