2017 Fiscal Year Annual Research Report
Recognition of compartment by microglia and its regulation of Scrap&Build
Project Area | Dynamic regulation of brain function by Scrap & Build system |
Project/Area Number |
16H06458
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 淳 京都大学, 高等研究院, 教授 (30511894)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | ホスファチジルセリン / "Eat-me" signal / cDNA library / 貪食 / スクリーニング / レトロウイルス / Xkr / スクランブラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞においてはシナプスなど生きた細胞の1部がグリア細胞によって貪食されることが知られている。しかしながら神経細胞においてどのようなメカニズムで"Eat-me" signalが提示されるのかは分かっていなかった。我々はこれまでにXkrファミリーが"Eat-me" signalであるホスファチジルセリン(PS)を露出することを示している。前年度までの解析においてXkr4のC末端が欠損した変異体(Xkr4ΔC)を発現する細胞において、蛍光標識したホスファチジルコリン(NBD-PC)を自発的に取り込む細胞をFACSを用いて6回ソーティングすることで、恒常的にXkr4が活性化した変異細胞(PC6)を樹立することに成功している。今年度は、Xkr4の活性化のメカニズムを知るためにPC6細胞よりcDNA Libraryを作製し、レトロウイルスベクターに組み込み発現クローニングを行った。その結果、3回のソーティングを行うことでNBD-PCを恒常的に取り込む細胞が得られた。この細胞よりゲノムDNAを精製し、レトロウイルスを含む領域をPCRによって増幅し、得られたcDNAのシークエンスを読んだところ意外なことにXkr4ΔCそのものであることが分かった。興味深いことに、得られたXkr4ΔCの配列には変異が導入されており、3種類の異なる変異体が得られたことが分かった。これらの変異体を細胞に発現させると、生きた細胞においてもNBD-PCの取り込み活性が生じることが分かった。一方で、C末端の欠損のないXkr4に変異のみを導入してもXkr4は活性化しなかったことから、C末端の欠損と変異が協調してXkr4を活性化していると結論付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに樹立したX変異細胞より原因遺伝子を同定することができ、今後これをベースに研究を進めることができるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後この変異体をツールとして用いることで、Xkr4活性化の分子機構の解明に迫る予定である。すなわち、Xkr4においてC末端の切断と変異の組み合わせでどのように分子が活性化するのか明らかにする。また、Xkr4を活性化させる内在性のシグナル分子を引き続き同定する予定である。さらには、Xkr4ノックアウトマウスの解析等、個体レベルでの解析を進めていく予定である。
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