2020 Fiscal Year Annual Research Report
感覚入力特異的なスクラップ&ビルドによる大脳皮質内の多細胞ネットワーク形成機構
Project Area | Dynamic regulation of brain function by Scrap & Build system |
Project/Area Number |
16H06460
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
吉村 由美子 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 教授 (10291907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 亘彦 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00191429)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 一次視覚野 / 興奮性シナプス結合 / 抑制性シナプス結合 / パルブアルブミン陽性抑制性ニューロン / 経験依存的発達 / NMDA型グルタミン酸受容体 / 空間周波数選択性 / 方位選択性 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳皮質一次視覚野は感覚機能や神経回路の発達を解析する良いモデルである。これまでにマウス視覚野を対象に、2/3層にある興奮性ニューロンとfast spiking型の発火特性を示す抑制性ニューロンサブタイプ(FSニューロン)が形成する神経結合を解析し、発達に伴い、双方向性に結合しているペアの抑制性神経結合が一方向性ペアの抑制性結合に比べて強化されることを見出している。本年度はその分子機構を調べ、FSニューロンのNMDA型グルタミン酸受容体を欠損させると、この強化がみられない結果を得た。したがって、FSニューロンと興奮性ニューロンの興奮性・抑制性結合のバランスは生後発達期のNMDA型受容体活性化に依存して調整されると考えられる。 また、様々な発達段階にあるマウス一次視覚野からin vivo2光子励起カルシウムイメージングにより視覚反応を計測し、空間周波数選択性の発達を調べた。生後発達過程において、一部の興奮性ニューロン及びFSニューロンと考えられるパルブアルブミン発現ニューロンの最適空間周波数が上昇し、3週齢に達すると様々な空間周波数を最適周波数とするニューロンがみられた。この発達は形態視を遮断して飼育すると阻害された。この結果は、一次視覚野の多様な空間周波数選択性は生後の視覚経験に依存して形成されること、興奮性ニューロンとFSニューロンの視覚反応は類似した発達過程を共有することを示唆する。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)