2018 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic regulation of brain function by Scrap & Build system
Project Area | Dynamic regulation of brain function by Scrap & Build system |
Project/Area Number |
16H06462
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
宮川 剛 藤田医科大学, 総合医科学研究所, 教授 (10301780)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 脱成熟 / 網羅的行動解析 / in vivo 神経活動イメージング / バイオインフォマティクス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
脱成熟現象で生じるスクラップアンドビルド機構の分子機序解明について、オプトジェネティクスを用いた脱成熟のモデルマウスのトランスクリプトーム解析とそのデータに基づいたインフォマティクス解析により、脱成熟の発生、固定化、および再成熟に関わる分子パスウェイを推定した。海馬歯状回特異的に光受容体チャネルロドプシンを発現させた成体マウスにおいて光刺激により神経過活動を誘導し、海馬歯状回のRNAシークエンスを行った。刺激の回数および最終刺激からサンプリングまでの時間等の条件が異なるグループのマウスについて解析を行うことで、脱成熟の発生、固定化、および再成熟に関わる分子発現変化をゲノムワイドな遺伝子発現パターンで体系的に評価し、各ステージにコアに関わる分子パスウェイ推定した。 海馬歯状回の脱成熟が、レビー小体型認知症と関連するβシヌクレイン変異を導入したマウスにおいても生じていることを報告した(Hagihara et al, Mol Brain, 2018)。さらに、神経の過活動によって引き起こされる脱成熟/未成熟様の遺伝子発現パターンが統合失調症やアルツハイマー病など複数の精神神経疾患において疾患横断的に見られることを明らかにした(Murano et al, Commun Biol, 2019)。 また、各種スクラップアンドビルド機構の神経回路・行動レベルでの機能評価として、前年度に引き続き、他の班員の研究から示唆されるスクラップアンドビルド機構のカギ分子を実験的に操作したマウスの行動試験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体として概ね順調に進展していると言える。詳細は以下の通り。 (1) 脱成熟現象で生じるスクラップ&ビルド機構の機序・機能解明:オプトジェネティクスを用いた脱成熟のモデルマウスにおいて、RNA-seq解析およびそのデータに基づいたバイオインフォマティクス解析は計画通り順調に進展している。(2) 脱成熟で生じるスクラップ&ビルド機構の神経回路・行動レベルでの機能の探索:脱成熟により生じる神経活動変化を、in vivo 神経活動モニタリングシステムを用いて検討するための条件検討を進めた。(3) 各種スクラップ&ビルド機構の神経回路・行動レベルでの機能評価:他の班員からのマウスの受け入れおよびその行動試験の実施も予定通り行った。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに光刺激による脱成熟現象にコアに関わると推定された分子パスウェイを標的にした薬理学的実験、遺伝学的実験を行い、脱成熟現象との関連を検証する。脱成熟が生じたマウスの行動試験遂行中の神経活動を、in vivo 神経活動モニタリングシステムを用いて検討する。また、脱成熟歯状回を有するモデルマウス(光刺激によるのモデルマウス、あるいはその他の遺伝子改変マウスの系統)において、電子顕微鏡を用いたイメージングにてシナプスの形態観察を行う。 前年度に引き続き、スクラップアンドビルド機構のカギ分子を実験的に操作したマウスの受け入れおよびその行動試験を行う。
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Research Products
(19 results)