2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation, function and structure of neo-self |
Project/Area Number |
16H06496
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 満 徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 教授 (60221595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (90158402)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 胸腺 / 自己抗原 / 抗原認識機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の松本は、免疫学的自己を表出する胸腺髄質上皮細胞(mTEC)に発現する転写調節因子AireがどのようなメカニズムによってT細胞にトレランスを誘導するかを検討した。その結果、Aireは他のmTECに対してtransに作用して、Ly6C/Gの発現誘導に寄与していることが明らかになった。一方、mTECおよび骨髄由来の抗原提示細胞(BM-APC)の両方の抗原提示細胞でAireを付加的に発現させたトランスジェニックマウスでは、逆説的に筋肉特異的な自己免疫病態が見られたが、I型糖尿病の発症に対しては抑制的に作用することが判明した。 一方、分担研究者の吉開は胸腺で分化する過程で既にインターロイキン(IL)-17A産生能を有するVγ6+γδT細胞は、様々な細菌感染症や自己免疫病でT細胞レセプター(TCR)依存性に活性化されることから、胸腺内と末梢の炎症の場で発現する「ネオ・セルフ」抗原を認識していると考えている。しかしVγ6を認識する抗体がないためにその詳細は不明な点が多い。今回、Vγ6に対してトレラントになっている Vγ4/6ノックアウト(KO)マウスにTCRVγ6の超可変領域(CDR2)のペプチドで免疫することによって Vγ6特異的モノクローナル抗体(1C10-1F7 mAb)を樹立した。この抗体はフローサイトメーター、免疫組織染色、in vivoに使用可能であり、Vγ6+γδ T細胞は1)胎生期の胸腺で産生され,新生児期にその数がピークとなる。2)胸腺の髄質領域で髄質上皮細胞に接して存在する。3)末梢では子宮頸部粘膜下層、大腸の粘膜固有層、腹腔、肺、皮膚真皮に多く存在する。4)肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)の感染早期の防御に働く。5)imiquimod投与乾癬モデルで、好中球の誘導し、皮膚炎症に誘導を担う。以上の新事実を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、計画していた遺伝子改変マウスは作出に成功しており、AireがLy6C/Gの発現誘導に寄与していることを明らかにした点については既に論文発表を行っている。一方、Aireの過剰発現に伴うI型糖尿病の発症抑制機構については、現在、論文投稿に向けて最終実験を進めている。また、吉開はこれまで存在しなかったVγ6を認識する抗体の作製に成功しているので、この点についてもより詳細な解析を進めている。このように、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
Aireの過剰発現によって全く膵臓ラ氏島病変病変を示さないhuAIRE-Tgが得られた。そのメカニズムを解析したところ、このマウスではAg transferにはたらくCD103+ DCが選択的に減少していることが判明した。DCにhuAIREを発現すると、なぜCD103+ DCの減少に至るかのメカニズムの解明が必要であるが、そのための実験系として、骨髄細胞をFlt3ligand、またはGM-CSFで刺激して、大量の骨髄由来のDCを発現する実験系を構築する。また、transに作用して、他のmTECからのLy6C/Gの発現を誘導する作用のメカニズムについては、Ly6C/Gのリガンドを同定する作業が有望ではないかと考えている。 他方、innate gd-T細胞はBcl11b非依存的にDN2a期より発生するIFN-g+ gd-T細胞とBcl11b依存的にDN2b期より直接発生するIL-17A+ gd-T細胞、およびDN3期より発生するIFN-g+ gd-T細胞の合計3つのサブセットが存在することを明らかにしている。今後は胸腺細胞の発現するネオ・セルフがinnate T細胞の分化にどのように関与しているかを解析するとともに、末梢組織でinnate T細胞がネオ・セルフを認識して早期の感染防御や自己免疫疾患を引き起こすメカニズムを解析して、innate T細胞の産生と機能に関わるネオ・セルフの性状を明らかにする予定であるが、何よりも重要な点はinnate gd-T細胞の認識抗原を明らかにすることである。この問題は、innate gd-T細胞の発見当初から世界中の研究者が取り組んでいる難題であるが、innate gd-T細胞を活性化するネオ・セルフ抗原の同定には必須の課題であり、研究期間内の解決を目指す。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] CD30L/CD30 signal transduction protects against psoriasiform skin inflammation by suppressing Th17-related cytokine production by Vγ4+ γδT cells T cells.2019
Author(s)
Yue D, You Y, Zhang X, Wang B, Wang X, QiR, Yang F, Meng X, Yoshikai Y, Wang Y and , Sun X.
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Journal Title
J.Autoimmunity
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Paradoxical development of polymyositis-like autoimmunity through augmented expression of autoimmune regulator (AIRE)2018
Author(s)
Hitoshi Nishijima, Tatsuya Kajimoto, Yoshiki Matsuoka, Yasuhiro Mouri, Junko Morimoto, Minoru Matsumoto, Hiroshi Kawano, Yasuhiko Nishioka, Hisanori Uehara, Keisuke Izumi, Koichi Tsuneyama, Il-mi Okazaki, Taku Okazaki, Kazuyoshi Hosomichi, Ayako Shiraki, Makoto Shibutani, Kunitoshi Mitsumori, Mitsuru Matsumoto
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Journal Title
J. Autoimmunity
Volume: 86
Pages: 75-92
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Aire Controls in Trans the Production of Medullary Thymic Epithelial Cells Expressing Ly-6C/Ly- 6G2018
Author(s)
Junko Morimoto, Yumiko Nishikawa, Takumi Kakimoto, Kohei Furutani, Naoki Kihara, Minoru Matsumoto, Koichi Tsuneyama, Yuko Kozono, Haruo Kozono, Katsuto Hozumi, Kazuyoshi Hosomichi, Hitoshi Nishijima and Mitsuru Matsumoto
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Journal Title
J. Immunol
Volume: 201
Pages: 3244-3257
DOI
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