2018 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic analysis of neo-self
Project Area | Creation, function and structure of neo-self |
Project/Area Number |
16H06502
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 教授 (00317744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細道 一善 金沢大学, 医学系, 准教授 (50420948)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | ネオ・セルフ / HLA / 疾患感受性 / 遺伝子多型 / 遺伝子発現 / NGS / オミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
特定のHLAアレルとの関連性が示されている疾患は100種以上に及ぶが、「なぜHLAと疾患が関連するのか?」という疑問は長年未解決のままである。本研究班では、NGSの革新的技術を駆使し、「ネオ・セルフ」に起因する疾患発症機序を明らかにすることに挑戦している。ネオ・セルフ形成に関わる先天的および後天的な遺伝要因をゲノム研究の観点から包括的に理解する類似研究はなく、本国がこの分野での主導権を握る上での急務の課題である。本年度では、健常者406検体を用いてHLA遺伝子全長の塩基配列を決定し、非同義置換を含む数多くの新規多型を検出した。封入体筋炎や抗PD-1抗体阻害薬関連筋炎について特定のHLAアレルとの関連性を明らかにした。骨髄移植ドナー161検体を用いたRNA発現量のアレル間比較を実施し、RNA発現量に基づく新たな分類体系を整備し、それに基づくRNA発現量と移植成績との関連性を精査することが可能になった。さらには、HLA領域における転写制御領域も含めた解析から詳細な遺伝子型-表現型の関連の構造を解明することを目指し、1細胞RNA-seqによるHLAアレルの発現解析、ナノポアシークエンサーを用いたHLAタイピングおよびHLAハプロタイプ構造解析の開発を進めた。具体的には、ナノポアシークエンサーからのロングリード情報から転写調節として個々のHLAアレルとそれぞれのシス転写制御領域の相を考慮した解析が可能となった。また、1細胞RNA-seqにより各HLA遺伝子のアレル特異的は発現バランスを1細胞ごとの異質性も考慮して検討することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NGSによる疾患ゲノム解析の種々の手法を開発し、それらを活用しているため、概ね順調に進展していると言える。また、研究開始当初からの目的に変更は無く、大きな計画変更も無い。研究開始当初からの計画の一つであるネオ・セルフ現象を理解するための遺伝子解析手法開発として、RNA発現に影響を及ぼすDNA多型の特定が可能な実験系の構築、RNA発現に影響を及ぼす多型の特定、ロングリードによる遺伝子と転写調節領域を相として解析することでシス調節を明らかにする手法、および細胞間異質性も考慮した1細胞RNA-seqにより各HLA遺伝子のアレル間の発現バランスを細胞ごとに解析する手法を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
HLA Expressionタイピング法の確立と疾患関連解析への応用 前年度に引き続きRNA発現量の差異を規定する多型や変異の特定をHLA-C以外のHLA座にも展開させると共に前年度までのデータからHLA Expressionタイピングの開発を進める。これにより疾患解析や移植医療にて使用されているHLA DNAタイピングと統合することにより、多型とRNA発現を融合させた本研究班独自のHLAタイピング法を提唱したい。また、この方法を駆使しながらAMLやATLなどの白血病細胞や筋炎における遺伝子発現に重要な役割を担うネオ・セルフ生成の遺伝要因をHLA多型とRNA発現の両面から明らかにすることを目指す。 遺伝子型-表現型関連構造からのネオ・セルフメカニズムの理解と病態制御 計画:MHC-PheWASから明らかになった遺伝子型-表現型の関連の構造はどのように機能的し、なぜ疾患発症に至るのか、ゲノムDNA、RNAおよび転写制御メカニズムを明らかにするためのエピジェネティック解析を統合したオミックス解析手法により明らかにしたい。1細胞RNA-seqによりHLA遺伝子およびその関連分子の発現を1細胞レベルで解析し、細胞間の異質性も含めて解析することが可能となることから、今後、本手法を用いた解析で、ネオ・セルフに起因する疾患の発症機序を理解がさらに進むことが期待できる。
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Research Products
(35 results)
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[Presentation] 尿酸トランスポーター遺伝子ABCG2のレアバリアントはコモンバリアントと同様に痛風を引きおこす2018
Author(s)
松尾 洋孝, 東野 俊英, 高田 龍平, 中岡 博史, 豊田 優, 清水 聖子, 川口 真, 中山 昌喜, 青柳 有香, 中嶌 真由子, 河村 優輔, 中村 好宏, 若井 建志, 岡田 理恵子, 山本 健, 細道 一善, 市田 公美, 大山 博司, 井ノ上 逸朗, 四ノ宮 成祥
Organizer
日本人類遺伝学会第63回大会
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[Presentation] 北海道船泊遺跡の高深度縄文人ゲノムから2018
Author(s)
神澤 秀明, ティモシー ジナム, 河合 洋介, 佐藤 丈寛, 細道 一善, 田嶋 敦, 安達 登, 松村 博文, キリル クリュコフ, 斎藤 成也, 篠田 謙一
Organizer
日本人類遺伝学会第63回大会
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[Presentation] Loss-of-Function Mutations in HLA-Class I Alleles in Acquire Aplastic Anemia: Evidence for the Involvement of Limited Class I Alleles in the Auto-Antigen Presentation of Aplastic Anemia2018
Author(s)
Hiroki Mizumaki, Kazuyoshi Hosomichi, Tanabe Mikoto, Takeshi Yoroidaka, Tatsuya Imi, Yoshitaka Zaimoku, Kohei Hosokawa, Takamasa Katagiri, Hiroyuki Takamatsu, Tatsuhiko Ozawa, Fumihiro Azuma, Hiroyuki Kishi, Atsushi Tajima, Shinji Nakao
Organizer
第60回米国血液学会ASH
Int'l Joint Research
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[Presentation] MHC MATCHING IMPROVES ENGRAFTMENT OF IPSC-DERIVED NEURONS IN NON-HUMAN PRIMATES2018
Author(s)
Asuka Morizane, Tetsuhiro Kikuchi, Takuya Hayashi, Hiroshi Mizuma, Sayuki Takara, Takashi Shiina, Hirohito Ishigaki, Yasushi Itoh, Keisuke Okita, Emi Yamasaki, Daisuke Doi, Hirotaka Onoe, Kazumasa Ogasawara, Shinya Yamanaka, Jun Takahashi
Organizer
ISSCR 2018
Int'l Joint Research