2016 Fiscal Year Annual Research Report
文明と広域ネットワーク:生態圏から思想、経済、運動のグローバル化まで
Project Area | Establishing a new paradigm of social/human sciences based on rerational studies: in order to overcome contemporary global crisis |
Project/Area Number |
16H06551
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
五十嵐 誠一 千葉大学, 法政経学部, 准教授 (60350451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 美智子 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (00206715)
丸山 淳子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (00444472)
渥美 利弘 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (20587282)
石田 憲 千葉大学, 法政経学部, 教授 (40211726)
横田 貴之 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (60425048)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | グローバル・コモンズ / グローバル市民社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画研究B03では、国家間関係ではカバーできない、地球規模で共有される諸問題と諸現象が増加している現状を踏まえ、グローバルな問題解決アプローチとグローバル・コモンズの創生の可能性を探ることを目的とする。2016年度は、主に以下の活動を行った。 まず、グローバル・コモンズを地域ごとに考えることを出発点として、東南アジア・メコン地域に焦点を絞り、11月に国際シンポジウムを計画研究A02と共催し、国際法、国際経済、国際政治などの枠組みからASEANとメコンの地域主義にアプローチした。その成果を出版した。1月には、メコン開発の現状とNGO、メコン地域における人身売買・人身取引とNGOに関する特別講演を開催した。さらに、グローバル・コモンズの基盤となりうるグローバル市民社会の量的分析に向けて、グローバル市民社会に関するデータベースを購入、市民社会ネットワークの数の推移や地域ごとの変化の計量分析に努めた。 一方で、分担者による個別の調査研究を着実に進め、代表者がベトナム、ラオス、イギリス、フランス、ベルギーでグローバル・コモンズ、リージョナル・コモンズ、ローカル・コモンズに関する現地調査を実施した他、分担者はイタリア、ドイツ、イギリス、トルコ、ザンビア、南アフリカなどで聞き取り調査や資料収集を行った。特に、ザンビアでは、難民キャンプを訪問し、農学の視点からのフィールド調査の準備作業を行った。また、環境問題を扱う観点から、11月には駐日イラク大使館などの協力を得て、イラク南部湿地帯の現状を巡るセミナーを開催した。文理融合を目指す本計画研究では、農学や環境学など、理系分野の研究との協働を推進する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度の活動は、主として代表者が専門とする東南アジア、特にメコン流域地域の地域間関係のさまざまなネットワークについて、調査を進めた。メコン流域諸国に関して、繰り返し現地調査を行い、国家主体間ネットワークのみならず、地方行政体やNGOの持つサブ地域ネットワークの在り様について、聞き取り調査を中心に実施できたことは、大きな成果である。 また、本計画研究のなかで文理融合型研究の核となる高垣によるアフリカでの調査研究は、ザンビアでの難民キャンプ視察が実行できたことにより、来年度以降の本格的調査の準備が整った。 本領域では、2017年度より計画研究横断型のプロジェクトとして「移民・難民・多文化共生」プロジェクトが立ち上がることが決まっているが、計画研究B03は、高垣のアフリカ難民調査の他、横田がトルコ在住の移民社会におけるエジプト・ムスリム同胞団の活動拡大を取り上げた調査を行い、難民を対象とした調査を行っているため、「移民・難民・多文化共生」プロジェクトのなかで中心的な役割を果たしうる準備を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度には、グローバル・コモンズ研究会を立ち上げ、他の研究計画の分担者等とも連携しながら、グローバル・コモンズに関する研究を進める。この研究会を足掛かりに、グローバル・コモンズに関する国際ワークショップも開催し、アジア、アフリカ、中東、欧州など地域ごとの偏差を把握しつつ、グローバル・コモンズ研究を発展させ、グローバルな問題解決アプローチを探る。また、広域ネットワークを扱う上で、社会運動のミクロからマクロへの広がりを扱う研究会を行い、社会運動の専門家を講師として招聘して、講演会を実施する。 分担者については、今年度の領域全体のテーマとして移民・難民問題に光を当てるため、経済学的視点を盛り込むなど、本計画研究の視点を活かして、移民・難民研究に取り組む。特に新たな分担者として森の参加を仰ぐことによって、欧米におけるイスラーム移民社会のホスト社会との共存関係を分析する。横田は、ムスリム同胞団によるムスリム移民社会を対象とした社会運動の拡大をテーマとして、トランスナショナルな移民ネットワークを分析する。移民と難民は、公募研究で採択された辻上の研究と協力が可能である。丸山は、文化人類学の立場から、アフリカのローカル・コモンズに関する調査を進めれる。石田は、西欧起源の民主主義、主権国家概念がグローバル規範化する歴史的過程の分析に引き続き取り組む。高垣は、ザンビアの難民キャンプで行う調査と合わせて総合的な難民問題への取り組みとし、計画研究として、領域内で立ち上げられる難民プロジェクトに積極的に参加し、主導的にプロジェクトを推進していく。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] "Bushman Tourism" in Botswana2017
Author(s)
Maruyama, Junko
Organizer
Workshop on participatory tourism in Africa
Place of Presentation
!khuwa ttu, Western Cape, South Africa
Year and Date
2017-03-07
Int'l Joint Research / Invited
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