2019 Fiscal Year Annual Research Report
分子間相互作用に基づくシグナル伝達網解析のための無細胞プロテオーム技術の開発
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
16H06579
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
澤崎 達也 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (50314969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宏隆 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 講師 (70432804)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 無細胞プロテオミクス / プロテインアレイ / シグナル伝達経路 / 数理解析 / データベース構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、20K-HUPAを用いたタンパク質-タンパク質相互作用解析技術のコストダウンおよび汎用性を高めるための条件の検討を行った。 1)1536穴プレートを用いたスクリーニングシステムへの変更:384穴プレートから1536穴プレートへのスクリーニングシステムの変更を行った。そのコア技術は、384ニードルピンからなるナノヘッドの分注精度制御と、湿度コントロールの装置の導入である。プログラム設定も改良し、ナノヘッドの移動スピード、384ニードルピンのウェル内の深度設定、湿度および温度制御、使用するプレートのメーカー等を繰り返し評価し最適化を行った。その結果、粘性あるタンパク質合成溶液が保存された384穴から1536穴プレートに±0.2マイクロリットル以内の精度で2マイクロリットルまで分注できるシステム構築に成功した。 2)アッセイボリュームの最小化:AlphaScreen技術の場合、最もコスト高なのはビーズ代である。ビーズはパーキンエルマー社から購入するしかないため、値下げ交渉に限界があり、かつ年々、ビーズの値段は上がっている。そこで、アッセイボリュームを現在25マイクロリットル系から可能な限り下げていくことを目指した。アッセイボリュームを下げた結果、総シグナルカウントが下がる。ただバックグランドもある程度下がるため、S/N比を維持しながら、シグナルの再現性が確保できる最適少量ボリュームの条件検討を行った。その結果、3分の1まで下げることに成功し、コストは3分の1以下まで下げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コストダウンに向けたスクリーニングシステムの1536化を目指して行い、湿度コントロール、384ピンによるナノヘッドを分注制御、アッセイボリュームの条件を徹底的に評価し、コストを3分の1まで下げることに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2万4千種類からなるヒトプロテインアレイを用いた大規模スクリーニングを行い、コストダウンしたアッセイのデータ精度を評価するとともに、公募班への利用を促進する。
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