2017 Fiscal Year Annual Research Report
脳情報動態を規定する大脳皮質間回路と皮質-皮質下間回路
Project Area | Brain information dynamics underlying multi-area interconnectivity and parallel processing |
Project/Area Number |
17H06309
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松崎 政紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50353438)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 2光子カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
高品質多細胞活動データを取得し、その情報を数理的に解読して脳情報動態学の創成に寄与することを大目的とする。行動課題実行中のマウスにカルシウムイメージング法を適用して、皮質間および皮質―皮質下間での多細胞活動を計測する。得られた高品質画像データを統計数理解析し、領域内連携により情報フローを見出すことで、いかに認知情報と感覚運動情報が圧縮され、どのように前頭皮質内で統合され更新されるかという動態を解読する。そのために本年度は、カルシウム感受性蛍光タンパク質であるGCaMPまたはR-CaMPの遺伝子をコードするAAVをマウスの前頭皮質へ導入し、その後、頭部固定下で右前肢レバー引き運動をふたつの文脈において行うことを数週間学習させた。その後、それぞれの文脈を入れ替える課題の実行中に2光子カルシウムイメージングを一次運動野と高次運動野において3次元的に行い、統計処理に十分な2/3層~5層のデータを取得することができた。獲得されたイメージング画像で個々の細胞体における蛍光変化の時系列データを抽出した。同一細胞において、文脈依存的な反応性の特異性を算出し、一次運動野と高次運動野の活動の差が明らかとなった。また集団活動がどのように異なった文脈を表現しているのか、それが時間によってどのように変化するのか、またその表現が領域によってどのように異なるのかを、機械学習の手法を用いて時系列データを次元圧縮することで調べる方法を開発することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統計処理に十分な2/3層~5層の細胞活動データを取得し、獲得されたイメージング画像で個々の細胞体における蛍光変化の時系列データを抽出すること、それを用いた基本的な解析方法を確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
文脈依存的な信号を運動野に送る領域を不活性化するときに、行動と細胞活動がどのように変化するかを明らかにするとともに、トレーサー実験なども用いて文脈依存的な情報のフローを明らかにしていく。
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Research Products
(7 results)