2018 Fiscal Year Annual Research Report
脳情報動態を規定する大脳皮質間回路と皮質-皮質下間回路
Project Area | Brain information dynamics underlying multi-area interconnectivity and parallel processing |
Project/Area Number |
17H06309
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松崎 政紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50353438)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 2光子カルシウムイメージ / 運動野 / 視床 |
Outline of Annual Research Achievements |
高品質多細胞活動データを取得し、その情報を数理的に解読して脳情報動態学の創成に寄与することを大目的とする。前肢を使った行動課題実行中のマウスにカルシウムイメージング法を適用して、皮質間および皮質―皮質下間での多細胞活動を計測する。得られた高品質画像データを統計数理解析し、情報フローを見出すことで、いかに認知情報と感覚運動情報が圧縮され、どのように前頭皮質内で統合され更新されるかという動態を解読する。そのために本年度は、離れた大脳皮質領域を高速に連続して2光子イメージングする方法を確立し論文発表した。顕微鏡対物レンズ下とマウス脳表の間約8mmの空間で高速にミラー対を回転させることで最長6mm離れた領域での細胞活動を連続して2光子カルシウムイメージングする方法を確立した。論文発表後さらなる高速化に成功し、これを用いて、頭部固定下で右前肢レバー引き運動をふたつの文脈において行うことを数週間学習させたマウスにおいて、それぞれの文脈を入れ替える課題の実行中に2光子カルシウムイメージングを一次運動野と高次運動野2/3層で行った。同一細胞において、文脈依存的な反応の特異性を算出し、また集団活動としての文脈および運動コードの様式を定量化することで一次運動野と高次運動野の活動の差が明らかとなった。またマウス運動をより詳細にビデオ解析することで、文脈間での運動の相違も含めて定量解析できる手法を開発した。また皮質下視床から運動野へ投射する軸索活動を1mmの視野にわたって高速イメージングする方法を確立し、論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2領域連続カルシウムイメージング法の高速化に成功し、試行ごとの領野間活動相関を正確に計算できるようになるとともに、この条件下で統計処理に十分な2/3層の細胞活動データを取得でき、またこのデータを使った解析も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は領域間をつなぐ軸索活動もイメージング対象として領野間の情報フローを見出すことで、どのような情報が前頭皮質内で変換・送信・統合されるかという動態の解明に向けて研究を推進する。
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