2020 Fiscal Year Annual Research Report
脳情報動態解明に資する多階層・多領野データ統合モデリング法の開発
Project Area | Brain information dynamics underlying multi-area interconnectivity and parallel processing |
Project/Area Number |
17H06310
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 信 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90294280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 匡 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40392162)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 脳情報動態 / カルシウムイメージング / 機能モジュール / エンコーダ / デコーダ |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者(石井): 松崎班員(A01 班)と連携して、動物の条件付け学習に関わる長時間の、中枢神経活動、行動の同時記録データに対し、中枢での動的内部表現を求めることのできる手法の開発を継続実施した。強化学習に基づくモデル化を進めた。デコーディングにおいては線形モデルを用いた。 マルチエージェント環境において意思決定(模倣学習)課題を遂行中のヒトの行動実験を20人分実施した。コロナ感染症の影響もあり研究者が離職することとなり遅延が生じたが、研究実施期間を延長することで、最終的(R4年度)には予定通りデータを取得することができた。強化学習と逆強化学習により価値推定を行うモデルの優位性が統計的に示された。被験者依存性が高いので、あらたに個性を考慮したモデル化を進める。また、不確実環境において意思決定課題を遂行中のヒト核磁気共鳴画像からのブレインデコーディングの研究を開始した。デコーダビリティとメタ認知との関連を調べる予定である。 分担者(山崎): 前年度までに構成した精緻な小脳神経回路モデルにシナプス可塑性を割り当て、神経細胞の空間構造までを考慮した精密な小脳回路モデルを構築した。また喜多村班員(A02班)との連携を加速的に実施し、カルシウムイメージングにより得られた複雑スパイクのデータを解析して、シミュレーションに導入した。また、脳だけでなく動物の身体モデルの導入を検討し、所望の通り動作させることに成功した。今後脳モデルと接続し閉ループ制御を構成していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マルチエージェント環境での意思決定(模倣学習)課題については研究担当者(協力者)が、コロナ感染症の影響もあり離職することとなり遅延が生じた。また、大型計測装置(MRI)を用いたデータ計測は、設備の都合(コロナ感染症拡大防止のため稼働率低下)により、実施に遅延が生じた。計画延長を行い、最終年度(R4年度)までに予定通りの研究を完了できた、
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Strategy for Future Research Activity |
マルチエージェント環境での意思決定(模倣学習)課題については、学生中心とはなるが研究室内で組織的に対応することとして、遅れの回復を図る。また、大型計測装置を用いたデコーディング研究は、装置の稼働率の回復にしたがって、遅れは回復可能と考えている。
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