2017 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的3次元観察技術による細胞のダイバーシティー検証
Project Area | Integrated analysis and regulation of cellular diversity |
Project/Area Number |
17H06328
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
洲崎 悦生 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (10444803)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / イメージング / 組織透明化 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体は多種多様なダイバーシティーに富む細胞種より構成されるが、臓器・組織の3次元構築におけるコンテクストで細胞社会ダイバーシティーを真に理解するには、3次元で細胞や細胞回路を網羅的に観察できる技術が有 用である。本申請課題では研究代表者らが開発した細胞および細胞回路の階層におけるオミクス的アプローチ( Cell-omics)の基盤技術CUBIC(Clear, Unobstructed Brain/Body Imaging Cocktails and Computational anal ysis)を用いて、本領域中で対象となる臨床検体、動物発生胚、オルガノイド、ハエ等の多彩な検体に対し種々 のラベリング手法や3次元イメージングの検証を進め、Cell-omicsのパイプラインを確立することを目指した課題を遂行している。 本年度は、CUBIC技術における種々のラベリング手法の検証のため、これまでに部分的な検証が進んでいる種々の遺伝学的手法、ウイルスベクター、組織化学的染色等の各種ラベリング手法を導入し、CUBIC技術とのコンパチビリティや各ラベル法の 最適条件の検証を進めた。特に、ウイルスベクターによって蛍光タンパク質でラベル化された脳について全脳透明化及び全脳イメージングを実施し、3次元的な取得及び解析を行うための基盤的なパイプライン構築を行なった。さらに、組織学的染色について、染色剤や抗体の浸透原理の解明をすすめ、一部のプロトコル化を開始している。本プロトコルを用いた各種染色剤や抗体の3次元染色について、マウス全脳や全身、マーモセット脳等を例にテストを進めた。また、各種学会や講演会を通じ、本技術の普及に務めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた、各種ラベル化された臓器に対する透明化および3次元イメージングのコンパチビリティテストを進め、当初予定していた成果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、CUBIC技術における種々のラベリング手法およびイメージング法の検証について、今年度同様に種々の遺伝学的手法、ウイルスベクター、組織化学的染色等の各種ラベリング手法の検証を進め実例を蓄積するとともに、本新学術領域内で使用する様々な検体に適用し、CUBIC技術とのコンパチビリティや各ラベル法の最適条件の検証をスタートさせる。 これら多種類のラベリング法を導入することで、各ラベリング法の利点・欠点をうまく相補させるとともに、領域内で対象となる多様な検体に対応できる、安定的な技術基盤の確立を目指す。さらに、来年度以降には領域内でCUBICの利用を促進するための技術講習やコンサルティング等の支援を実施する計画である。
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Research Products
(18 results)