2018 Fiscal Year Annual Research Report
Model construction and theorization of intercell interactions
Project Area | Integrated analysis and regulation of cellular diversity |
Project/Area Number |
17H06330
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
川崎 秀二 岩手大学, 理工学部, 准教授 (10282922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 浩史 岩手大学, 理工学部, 教授 (40302088)
菅野 江里子 岩手大学, 理工学部, 准教授 (70375210)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 局所相関 / 主成分固有値 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は卵巣がん遺伝子発現量データに対し,生物学的分析から予め得られていた知見としてTGFβ関連遺伝子の作用が主要な挙動の1つとなっているという予測から,TGFβ関連遺伝子群の共通の挙動を抽出し,またそれと他の遺伝子群との挙動の相互作用を抽出する事を目指した. そのため,まず文献からピックアップしたTGFβ関連遺伝子のうち約70種がデータに含まれている事を確認した.それらの各遺伝子と挙動の似ているものを全遺伝子の中から見つけるべく発現量ベクトル同士の相関をとったところ,70種のうちの約3/4の遺伝子では他の全遺伝子との相関が非常に小さな値しかとらないという事が分かった.
それで残りの約1/4の遺伝子に対し全遺伝子との距離をとって大きさの順にソーティングする事で挙動の時間発展の流れに沿ったものと見なせるかについて可能性を探った.その結果は,全遺伝子のほとんどでほぼ一定の距離値を呈し最後の一部の遺伝子数十個~数百個についてのみ大きな値に分布しているものとなった.少なくともこれだけで挙動をうまく抽出したものとみなす事は難しく,ここで一旦進捗が停滞してしまった.
事後少しずつ分かってきた事として,相関自体は一般にベクトルの類似度を与える事から,発現量ベクトルの相関に従って時間発展の順序関係を見出そうとする考え方自体はさほど悪くないと考えている.しかし恐らく問題は,発現量ベクトル全体同士の相関をとっていた事にある.発現量ベクトルの要素中で局所的に挙動の異なる細胞群が複数含まれており,それらを含めて全て一緒に相関をとってしまっては相殺してしまう.それにより上記の非常に小さな値の相関が出ていたと考えられる.従って,その気づきを得て今後の方針として,発現量ベクトルの中で局所的な似た挙動の要素部分を見つけなくてはならないという考えに至った.この事は今後の解析に活かしていきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子間あるいは細胞間にわたって発現量の「近いもの」を調べるにおいて、発現量ベクトル全体同士に対する比較する事を行なっていたが(相関やノルムなど)、今となってはそれが間違っていた事が分かった.全体ではなく、局所的な比較をしなければならない.解析がいずれもその全体同士の比較に基づいてコーディネートされていたため、期待される結果とならない状態が続いていた.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の「理由」で述べたように、発現量ベクトルの解析で「近いもの」を探す際には、局所的に探すという方針で解析を全てコーディネートし直す.また、どの局所的部分を見れば良いかも、最初は手探り/アドホックに探さなければならないが、いずれは比較すべき部分ベクトルはここだという事を自動抽出できるようにしたい.
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