2020 Fiscal Year Annual Research Report
Model construction and theorization of intercell interactions
Project Area | Integrated analysis and regulation of cellular diversity |
Project/Area Number |
17H06330
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
川崎 秀二 岩手大学, 理工学部, 准教授 (10282922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 浩史 岩手大学, 理工学部, 教授 (40302088)
菅野 江里子 岩手大学, 理工学部, 准教授 (70375210)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 一細胞解析 / 遺伝子発現量 / TGF-beta |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、卵巣がん遺伝子発現量の1細胞解析データからのがん増殖メカニズムの解析について、以下の事を行った.遺伝子発現量ベクトル群に対しある2つの特性量をとり、それらの値をそれぞれ横軸、縦軸とする図をプロットすると、約13000種の遺伝子全てについてプロットした結果は2次元の発現量パターン図を呈する事が分かった。そこで、予備的考察から主な内容の1つと考えていた TGF-beta に関連する挙動をパターン図から読み取る作業の第1段階的部分を実施した. そのパターン図で、ある遺伝子を基点として発現の進行過程が複数本のチャネルとして現れており、これがそれぞれの遺伝子経路に対応していると考えている.各チャネルは系の前半の過程では TGF-betaに向かって緩やかに伸びていき、やがてTGF-betaに至って、これの強い亢進を促すに至る.そして、その後の後半の過程では、TGF-betaと連関している遺伝子群が急激な亢進を見せており、これがTGF-betaの二面性としてのがん促進作用が急激に作用する様子が下流過程に沿って現れていると考えている. また、遺伝的に失明を来すラット(RCSラット)に当研究室で開発したオプトジェネティクス遺伝子(mVChR1)を導入することによって、視機能を回復できることが明らかとなっている。昨年度、NGS解析により網羅的に遺伝子発現を調べた結果、mVChR1遺伝子導入群で、失明した網膜で発現が低下するレチナール関連酵素群の再活性化が見られ、これらがmVChR1の機能発現に重要な役割を担っていることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ようやく大まかな方向性が見えてきたのは良かったが、まだ1つの完全な成果へ至るべく取り組み中である.
また、mVChR1の機能発現に関わる分子の供給元を特定し、高度な視覚を創出するための新規遺伝子の開発に成功した部分については、概ね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上記の遺伝子発現量の特性パターン図から発現メカニズムを読み取っていく作業を続けていく.主な内容である TGF-betaの発現の前後での、上流過程および下流過程それぞれについて、遺伝子発現の流れとそこに関わる遺伝子について明らかにしていく. また、高機能化したmVChR1を導入し、変動遺伝子の発現が変化するかを検証するとともに、遺伝子改変動物を作製し、網膜変性保護効果を調べる.
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