2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an integrated platform for analysis of epigenome and single-cell data
Project Area | Integrated analysis and regulation of cellular diversity |
Project/Area Number |
17H06331
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中戸 隆一郎 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (60583044)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 1細胞解析 / Data imputation / 大規模解析 / 情報基盤整備 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)最新のメニーコアクラスタサーバ及びGPU解析サーバを導入し、シングルセルRNA-seq解析環境を構築した。既存の解析プログラムの中で最先端かつ更新頻度の高いSeuratパッケージをベースに、サンプルの品質評価、クラスタリング、各クラスタ内での高発現遺伝子の同定などは本サーバ上で解析可能である。また、シングルセルRNA-seq解析手法論文のサーベイ及び実験を担当するポスドクを一名雇用した。 (2)本領域内の秋山班、川崎班と連携しのうえシングルセルデータ生成、データ解析及び手法開発、得られた結果の数理モデリング、の流れを確立し、統合的な解析のための議論を重ねている。 (3)シングルセル解析の価値をより高めるための新規手法として、データ補完(Data imputation)によるデータ再構築法を検討した。シングルセル解析では1細胞あたりのデータ量の上限の制約から一般的な多細胞解析と比較してデータのテクニカルなばらつきは大きくなり、生物学的に意味のあるグループ間の差異が実験誤差に埋もれてしまう問題がある。秋山班から生成されたがん細胞由来のシングルセルデータを用いた実験では、データ補完を行わない場合に比べ、サブグループごとの差がより鮮明になるという良好な結果を得た。 (4)本学術領域において開催された第一回公開シンポジウムにおいてポスター発表、及び第一回若手ワークショップにおいて口頭発表及び技術講習会を行い、NGS解析及びシングルセル解析手法について知見の共有と領域内の相互連携を深めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1)技術職員の当初予定を変更してポスドクを雇用できたため、単純な解析業務のみならず論文のサーベイ及び実験を任せることができるようになり、研究推進効率が大幅に向上した。 (2)半年の期間でサーバ導入、解析環境の構築を完了し、新規技術であるData imputationもこれまでおおむね良い結果を得ている。また、本手法を応用した1細胞データからの遺伝子間相互作用推定にも取り組んでおり、当初の想定を上回る速度で研究が進展している。 (3)他班との具体的な連携体制を既に構築、議論も活発に行えており、新たな共同研究のアイデアが生まれることを期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)シングルセルRNA-seq解析環境について、今後より多様な解析を可能にするべく新規手法、既存の最新手法含め積極的に取り入れつつ情報基盤整備を進めていく。 (2)データ補完で得られた結果の生物学的な妥当性の検証(秋山班と連携)、サンプルや計算のパラメータを変えた場合の結果の頑健さの検証などを進め、より柔軟かつ頑健な手法を構築する。 (3)本領域の主要テーマの一つである「分野横断的な研究」を推進するべく、領域内の研究の多様性(がん組織、数理モデル、個体発生、顕微鏡画像など)を活かし、現在はまだ存在しない融合的な研究テーマを新たに興すことを目指す。かかる観点から、本年度は若手によるワークショップを開催し、新しい融合的研究テーマについて大いに議論したい。
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Research Products
(1 results)