2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an integrated platform for analysis of epigenome and single-cell data
Project Area | Integrated analysis and regulation of cellular diversity |
Project/Area Number |
17H06331
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中戸 隆一郎 東京大学, 定量生命科学研究所, 講師 (60583044)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | バイオインフォマティクス / 1細胞解析 / 軌道解析 / 次世代シーケンサー / 遺伝子ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)1細胞解析のための最新ツール群をまとめたプラットフォームをDockerイメージとして公開している (https://hub.docker.com/r/rnakato/singlecell_jupyter)。本イメージを最新版に更新し(バージョン2021.03)、scRNA-seqに加えてscATAC-seqにも対応した他、深層学習に必須であるGPU演算にも対応し、利便性を高めている。更に、本イメージを利用するための解析初心者用チュートリアルサイトを一般公開した(https://singlecellanalysistutorial.readthedocs.io/en/latest/)。羊土社「実験医学」において本プラットフォームの意義を解説する総説を寄稿した他、学会での口頭発表を通じて、構築したDockerイメージの宣伝・普及に努めている。 (2)1細胞解析を入力とした遺伝子ネットワーク推定法、細胞間で相互排他的な発現を示す遺伝子ペア群の同定法、更に複数サンプル間でのネットワーク比較を用いた新規重要マーカー遺伝子候補群の同定手法を確立し、論文化した(Nakajima et al., bioRxiv (preprint), 2021、査読中)。 (3)独自の1細胞解析プロジェクトとして、「マウス肝臓類洞細胞の線維化プロセスに着目したシングルセル時系列解析」、「多臓器不全を表現型とする疾患モデル幹細胞を用いたシングルセル軌道解析による組織特異的な細胞運命破綻の調査」の2つを進めている。前者は昨年度中にシングルセルデータの取得まで完了した。後者はモデル幹細胞の取得が完了し、現在最適な分化系のための条件検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)昨年度は構築したDockerプラットフォームを活かした1細胞解析による領域内共同研究が複数進行する予定であったが、コロナによる活動制限の影響でサンプル調製実験が困難になり、またシングルセルシークエンスのために東京大学に来訪いただくことが難しかったことから、全ての共同研究の一時停止を余儀なくされた。申請者の研究室自体も緊急事態宣言に伴い研究そのものの遂行が一時非常に困難な状況であった。そのような中で、本課題で目的とする細胞ダイバーシティに関する知見獲得を達成するため、我々独自の1細胞実験系を新規に立ち上げることを決断した。現在は細胞ダイバーシティに関する研究(マウス肝臓類洞細胞の線維化)、幹細胞の分化不全をとらえる軌道解析(疾患モデル細胞における分化不全の調査)」を並行して進めている。申請者が所属する定量生命科学研究所の先生方にご指導・ご協力いただきながら1細胞データの取得を進め、申請者の解析技術を活かした多面的な解析の実現に向けて全力を挙げている。 (2)第43回日本分子生物学会年会(オンライン)においてワークショップを主宰し(本領域後援による)、申請者のグループの成果を発表した他、異分野融合のための交流や新規手法創発のために引き続き努力している。なお開発したDockerイメージに関しては海外研究者からの問い合わせも少しづつ増えて来ており(ロックダウンで自宅勤務の研究者が増えたことに起因すると想像される)、利用者数は増加中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)論文化した新規手法によって得られた遺伝子ネットワークから更に情報を抽出するためのネットワークマイニング手法を実装する。本手法を膠芽腫癌細胞の幹細胞・非幹細胞のシングルセルデータに対して適用し、癌幹細胞性に重要な新規遺伝子マーカーを同定することを目指す。またマウス肝臓線維化プロジェクトに関しても知見を獲得し、論文化を目指す。 (2)「疾患モデル細胞における分化不全の調査」において、適切な分化系を確立する。現在はコンディショナルノックアウトモデルマウスのES細胞、siRNAノックダウンを用いたヒトiPS細胞の2種類を所有しており、三胚葉までの初期分化、iPS細胞からの心筋分化などについて、再現性の高い1細胞分化解析系を構築する。 (3)上述の系を構築し、シングルセルデータが得られた段階で、分化軌道における細胞運命制御の破綻を直接観察可能な1細胞軌道解析技術を構築する。疑似時系列に沿ってソートされた細胞群を数理モデルで表現し、疾患に強く影響を受ける細胞ステージを同定し、多細胞解析へと展開する道筋をつける。本技術の構築では数理モデルを専門とする田崎班に協力いただくことで合意している。 (4)現在は各研究機関において研究が徐々に通常に戻りつつあることから、昨年度中断していた1細胞解析に関する領域内共同研究を一部再開できると期待している。構築した1細胞解析用Dockerイメージを積極的に活用し、共同研究ベースでの実サンプルを用いた1細胞解析による知見獲得を更にすすめ、論文化を検討する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Tet2 and Tet3 in B cells are required to repress CD86 and prevent autoimmunity2020
Author(s)
Tanaka S, Ise W, Inoue T, Ito A, Ono C, Shima Y, Sakakibara S, Nakayama M, Fujii K, Miura I, Sharif J, Koseki H, Koni P.A., Raman I, Li Q, Kubo M, Fujiki K, Nakato R, Shirahige K, Araki H, Miura F, Ito T, Kawakami E, Baba Y, Kurosaki T.
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Journal Title
Nature Immunology
Volume: 21
Pages: 950-961
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Paternal restraint stress affects offspring metabolism via ATF-2 dependent mechanisms in Drosophila melanogaster germ cells2020
Author(s)
Seong KH, Ly NH, Katou Y, Yokota N, Nakato R, Murakami S, Hirayama A, Fukuda S, Kang S, Soga T, Shirahige K, Ishii S.
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Journal Title
Communications Biology
Volume: 3
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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