2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation of the study of reconciliation |
Project/Area Number |
17H06337
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
劉 傑 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80288018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
段 瑞聡 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 教授 (00317083)
前嶋 和弘 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (10350729)
鄭 成 早稲田大学, 付置研究所, 助手 (20386668)
木宮 正史 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30221922)
馬 暁華 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30304075)
野口 真広 早稲田大学, 政治経済学術院, 助手 (30386560)
澁谷 由里 帝京大学, 文学部, 教授 (80283050)
森川 裕二 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (90440221)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 和解 / 国史 / 歴史家 / 資料館 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
①シンポジウム、定例研究会の開催 キックオフシンポジウムで歴史家班の研究計画について、代表者・分担者を中心にして、歴史学と政治学、平和学、紛争解決学の専門家との学際的なテーマで今後の活動の見取り図を提示した。2017年度中に4回の定例研究会を開催し、研究計画について議論を重ねた。また、孫文記念館、神戸華僑博物館との共同研究会を開催し、博物館と歴史家ネットワークについて研究発表を実施した。12月9日に「和解のための現代日本学」をテーマに国際シンポジウムを開催した。 ②文献研究と聞取り調査 知識人同士の連帯と東アジアの和解の関係を明らかにするために、1970年代までの研究成果についての検討を開始した。また、「戦後歴史家」に対する聞取りを実施し、彼らの思想と行動を解明作業を進めている。そして、歴史和解のデータベースを形成するために、歴史班としての取り組み方を確定した。代表者の劉傑は韓国高麗大学(グローバル日本研究院、東アジア問題研究所)、台湾中央研究院(近代史研究所、台湾史研究所)等と東アジアの日本研究・歴史研究者のネットワーク作りに着手している。このネットワークとスーパー・グローバル・ユニバーシティ-(SGU)構想、キャンパス・アジアでの国際的な大学間交流でもたらされる研究者のネットワークを基盤にして、本研究の各班代表者とそれらの海外の研究者との間で常設の定例交流会を準備した。 ③成果の集約・発信 前記国際シンポジウムの成果を報告書にまとめ、関係研究所や研究者に公開した。『世界紛争歴史事典』の内容への貢献の仕方について議論を行った。領域代表が主宰する国際会議、関連情報インフラの構築、歴史紛争事典、講座和解学(仮称)叢書の刊行準備に積極的に協力している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究組織を整備し、予定通りの研究活動を展開したため、概ね順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は「戦後歴史家」、「冷戦後歴史家」と「越境歴史家」に対する聞き取りを行い、80年代以降の文献の蒐集と分析を実施する。一連の文献研究とインタビューを通じて、各国の学問と政治の関係、学者ネットワークと政治、社会の関係を明らかにする。各年度の総括と対外発信の一環として開催されるシンポジウムのテーマは、30年度は「国交なき時代の知的連帯と和解」、31年度は「冷戦構造の激変と和解の動揺」、32年度は「越境する国史と和解の模索」を予定している。また、他の班との共同作業として『世界紛争歴史事典』の事項を執筆する。そして、『ワセダアジアレビュー』を活用した成果発信を定期的に行う。 公募による若手研究者を積極的に計画班の中へと組み込み、また、連携作業を行う非常勤研究員を謝金で雇用し、ホームページなどを充実させていく。スーパー・グローバル・ユニバーシティ-(SGU)の若手研究者、早稲田大学地域・地域間研究機構の若手研究者とも協力して、国際的な若手研究者ネットワークの拠点化を図る。国史を東アジアの相互理解のための知的公共財とするための「和解研究会」を組織し、総括班が創設の主体となる「日本和解学会」(仮称)の重要な基盤を形成する。
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Research Products
(56 results)