2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation of the study of reconciliation |
Project/Area Number |
17H06337
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
劉 傑 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80288018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
段 瑞聡 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 教授 (00317083)
前嶋 和弘 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (10350729)
鄭 成 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授(任期付) (20386668)
木宮 正史 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30221922)
馬 暁華 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30304075)
野口 真広 早稲田大学, 地域・地域間研究機構, その他(招聘研究員) (30386560)
澁谷 由里 帝京大学, 文学部, 教授 (80283050)
森川 裕二 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (90440221)
タンシンマンコン パッタジット 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 講師(任期付) (10844136)
李 恩民 桜美林大学, グローバル・コミュニケーション学群, 教授 (90372911)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 歴史和解 / 歴史家ネットワーク / 国史対話 / 新史学 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国、韓国、台湾など、東アジア諸国の歴史家に対するインタビュー調査を実施し、各国の歴史家によって形成されたネットワークの機能を検証した。国家間の歴史家(知識人)ネットワークを次の3つの時期に分けて調査を行った。第一の時期は「戦後歴史家」が活躍する1970年代までであり、第二の時期は歴史認識問題が発生する82年からの20年間である。そして、第三の時期は21世紀に入ってからの20年間である。インタビュー記録の整理と分析を進み、公開に向けての準備を行った。 研究分担者を主たる執筆者とする論集『和解のための新たな歴史学』を完成すべく、研究会を重ねた。この研究会は、和解学の基盤形成に貢献する「新史学」の創成を目指すものであり、グローバルヒストリーの視点、学際的な方法、多様な史料を用いて、歴史の「大衆化」時代における歴史学のあり方を示すとともに、和解学の基本書籍の一冊を目指した。 インタビューの成果をまとめ、和解学と歴史家ネットワークをテーマに国際シンポジウムの開催を計画している。 2020年1月に、日中韓の歴史家による国際シンポジウム「国史たちの対話」を行った。テーマは「東アジアの誕生」である。東アジアにおける「和解」の問題を歴史的に検証し、歴史家による「知の共同体」の可能性を探った。 若手育成の視点から、早稲田大学大学院博士課程の院生をRAとして雇用し、研究活動を補助するとともに、『和解学叢書』の執筆にも参加してもらった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー調査などはコロナの影響で一部変更したが、オンライン活動に切り替え、多様な研究会を開催したため、当初の研究計画はおおむね完成された。とりわけ、和解学叢書の出版に向けて、和解学に貢献する「新史学」の概念を提出することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の総括として、和解学叢書の一冊として『和解のための新たな歴史学』の完成にむけて、研究成果を広く発信する活動を展開する。シンポジウムの開催と、歴史家ネットワークの検証結果の公表にむけて準備を進めたい。 また、和解学辞典の編集作業を進め、内容の充実をはかっていく。 以上のことを実現するために、定期的に研究会を開催し、役割分担を明確にし、期間内の完成を目指す。
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Research Products
(32 results)