2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism and regulation of protein aggregation in complicated cellular systems
Project Area | Chemical Approaches for Miscellaneous / Crowding Live Systems |
Project/Area Number |
17H06352
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 祐児 大阪大学, 国際医工情報センター, 特任教授 (40153770)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 蛋白質 / 生体分子 / 老化 / 蛋白質凝集 / アミロイド線維 / 過飽和 / 溶解度 / 相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度として、以下の3つの研究を並行して行った。 (1)ポリフェノールによるアミロイド線維形成の促進と抑制:αシヌクレインの形成するアミロイド線維に対するポリフェノールの効果を調べた。水に溶けにくいポリフェノールは、αシヌクレインと結合することにより、その溶解度を下げアミロイド形成を促進した。他方、水に溶けやすいポリフェノールはαシヌクレインと結合することにより溶解度を上げ、アミロイド形成を阻害した。このような添加物とアミロイド原性蛋白質の相互作用による溶解度の変化によって、アミロイド線維形成が理解できることを示した。本結果は論文発表した。 (2)強酸によるアミロイド線維形成の促進:強酸がもたらす高い陰イオンによってアミロイド線維が形成することを、β2ミクログロブリンを用いて明らかにした。強酸性条件で滅菌が行われる場合があるが、強酸はアミロイド線維形成をむしろ促進する可能性がある。本結果は論文発表した。 (3)アミロイド形成促進因子と発症機構:β2ミクログロブリンのアミロイド線維形成を、透析患者の血清と、アミロイド形成を加速する装置HANABIを用いて調べた。血清は夾雑系効果によってアミロイド形成を抑制したが、透析患者においては抑制効果が低下していた。また週3回行われる透析後、抑制効果は回復していた。抑制効果は血清アルブミンの濃度によって決まることがわかった。つまり、透析患者においては血清中のアルブミン濃度が低下して、アミロイド形成が起きやすくなっているが、透析医療によってアルブミン濃度は一時的に高まり、抑制効果は回復する。アルブミン濃度に依存したリスクが長年にわたる透析で蓄積することによって、透析アミロイドーシスの発症に至ることを考察した。本結果は、夾雑系におけるアミロイド線維形成とアミロイド―シスの発症機構を明らかにする重要な成果であり、論文投稿中である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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