2019 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical study on binary black hole formation
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
17H06360
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大向 一行 東北大学, 理学研究科, 教授 (70390622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須佐 元 甲南大学, 理工学部, 教授 (00323262)
町田 正博 九州大学, 理学研究院, 准教授 (10402786)
谷川 衝 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (20550742)
細川 隆史 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30413967)
藤井 通子 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90722330)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | ブラックホール / 連星形成 / 星形成 / 磁気流体力学 / 輻射流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの計画で適合格子流体シミュレーションコードSFMATOにray-tracingによる輻射輸送モジュールを実装した。今年度の計画ではこれを用いて、重力波としてその合体が観測されている大質量のブラックホール連星の形成過程の輻射流体シミュレーションを実行した。とりわけ大質量連星の形成では系を構成する各々の星からの輻射フィードバックが重要になるが、複数光源からの輻射輸送を組み込んだ、このような高解像度シミュレーションは世界初である。それにより太陽の数十倍程度の大体同じ程度の質量の星からなる連星系がごく自然に形成されることが見いだされた。 また初代星形成シミュレーションを簡単な状態方程式を用いる近似を採用して長時間計算を行うことで、その際に同時に何個の星が生まれるのかについて見積もった。その結果、中心の大質量星からのフィードバックが重要になる時期までに数十個の小質量星が同時に生まれてくることが予想された。 高密度な星団内部における多体重力相互作用による連星ブラックホールの形成過程に関しては、昨年度までに実行した重力多体系シミュレーションの結果を用いて、伴星が主系列星の場合にブラックホールの存在をガイアをはじめとする位置天文学観測により検出できる可能性を見積もったところ、銀河系内に10個程度そのような系が見いだされることが分かった。このような系は伴星である主系列星の表面組成に主星のブラックホール形成時の超新星爆発による重元素汚染の兆候が見られないことから、元々連星として形成された系(フィールド連星)と区別可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画とほぼ同じスケジュールで研究が遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでほぼ当初の研究計画どおり研究を遂行出来ているので、今後も代表者と分担者、研究協力者は一致協力、鋭意努力を継続して当初計画のまま推進する予定である。
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Research Products
(26 results)