2020 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical study on binary black hole formation
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
17H06360
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大向 一行 東北大学, 理学研究科, 教授 (70390622)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須佐 元 甲南大学, 理工学部, 教授 (00323262)
町田 正博 九州大学, 理学研究院, 准教授 (10402786)
谷川 衝 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (20550742)
細川 隆史 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30413967)
藤井 通子 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90722330)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
|
Keywords | ブラックホール / 連星形成 / 星形成 / 磁気流体力学 / 輻射流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁場は、磁気制動やアウトフロー放出などによる角運動量の輸送を始めとして、連星形成において重要な役割を果たしている。磁場とガスの結合は、イオン化度に依存する。今回、さまざまな金属量に対して、化学反応ネットワークを更新し、化学モデルを構築することで、磁気散逸過程を調べた。特に、数値シミュレーションに組み込めるよう、重要な冷却剤と帯電種に関連するプロセスを選択し、簡略化した化学反応ネットワークを構築した。 初代星形成環境で乱流が発達する物理メカニズムを大規模数値計算と解析的議論により解明した。 大質量近接連星の形成過程を解明するために、3次元非理想磁気流体コードを用いて強く磁化された大質量分子雲コアの収縮の計算を行った。その結果、円盤分裂が起こった場合、磁気制動、周連星アウトフロー、原始星ジェットにより連星系の軌道角運動量が効率的に外層に輸送され近接連星が形成することを示した。 中質量ブラックホールへの超臨界降着現象について輻射流体シミュレーションを用いた研究を行った。ガス中を運動するブラックホールに働く動的摩擦について、輻射フィードバック効果を考慮すると、臨界降着が実現する場合のみ減速可能でそれ以外はむしろ加速運動が起こることを示した。 散開星団のN体シミュレーションを行い、散開星団中でのブラックホール連星の合体率を明らかにした。散開星団の数は球状星団よりもはるかに多いため、散開星団起源のブラックホール連星合体による重力波放出は、観測を説明するほど十分頻度が高いことがわかった。 全金属量の連星進化を取り扱うために、世界で初めて、太陽金属量の1万分の1から1億分の1という超低金属量星の進化トラックを構築した。これを利用して対不安定質量ギャップイベントであるブラックホール合体GW190521の起源が初代星を含む超低金属星の連星である可能性を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画から大きな遅れもないスケジュールで研究が遂行できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現時点においては、当初の研究計画に沿ってほぼ順調に研究を遂行しているので、今後も引き続き、代表者、分担者、そして研究協力者が一丸となり、一層の研究成果を目指し、当初の計画通り着実に推進していく所存である。
|
Research Products
(26 results)