2020 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトクリスタルの熱機械的評価手法ならびに制御手法の開拓
Project Area | Soft Crystals: Science and Photofunctions of Easy-Responsive Systems with Felxibility and Higher-Ordering |
Project/Area Number |
17H06368
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高見澤 聡 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス), 教授 (90336587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 玲子 中部大学, 先端研究センター, 特任教授 (90186552)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 超弾性 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機固体が発現する超弾性(“有機超弾性”)を基軸としてソフトクリスタルの形態制御ならびに物性変調への展開を行う。超弾性は形状記憶合金(もしくは超弾性合金)として知られる特殊な合金の特異な物理特性としてこれまで極めて限定的に発展してきた。有機超弾性は化学に現れた新しい固体特性であり、化学的手法による超弾性研究が可能な新しいステージに入っている。本研究では(1)有機超弾性結晶の創製および手法の開拓、(2)物性評価手法の深化発展、ならびに(3)超弾性とカップルする光学物性変調特性の開拓を目指し、実験研究を行った。 本年は前年までの研究をさらに推進し、有機超弾性体の分子種の拡張と変形特性の多様化について実験研究を継続して行い、超弾性・形状記憶効果・クロミズム現象と言ったソフトクリスタルの機能開拓・設計において重要となる知見の獲得と解析を行った。 結晶の応力誘起の非拡散変態は、除荷時に自発復元性を示す“超弾性”と、自発復元せず永久歪みを残す“強弾性”とに大別できることを示してきており、本年度は分子構造と分子間相互作用などで比較を可能とする多種の有機単結晶体での研究の積み重ねを行った。また、変形時のの超弾性および強弾性の発現性について、結晶構造解析・応力測定による温度依存性・外形変形性等を比較検討することで、有機結晶体における形状変化においては本質的に高い異方性を示すのが明らかになりつつある。有機超弾性変形にかかわる物理特性をどのように開拓・制御するのかが材料化研究では課題となるが、迅速に有機超弾性結晶を開拓できる状況に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超弾性および強弾性を示す有機結晶体について、予定通り低分子有機結晶体での探索が進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
有機超弾性物質の探査および物性観測データの蓄積により、ソフトクリスタル領域研究者との連携によりソフトクリスタルの学理深化を目指す。
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