2018 Fiscal Year Annual Research Report
Biological implmentation of sub-faculties for language
Project Area | Studies of Language Evolution for Co-creative Human Communication |
Project/Area Number |
17H06380
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡ノ谷 一夫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30211121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 義正 愛知大学, 文学部, 教授 (50575123)
幕内 充 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究室長 (70334232)
香田 啓貴 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (70418763)
和多 和宏 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (70451408)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 階層性 / 意図共有 / 併合 / 性淘汰 / 文化進化 / 情動発声 / 遺伝子発現 / 発声学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、言語の起源と進化について生物学的に実証可能なシナリオを描き、これにもとづき未来の言語コミュニケーションのあり方について考察することにある。そのため、生物心理学的な方法でコミュニケーション研究を進める代表者と関連する4名の分担研究者を置いている。2018年度は、代表者と分担者は、個々の研究を進めると同時に、B01班内での連携、領域全体との連携研究も進めている。 代表者である岡ノ谷は、動物の意図共有につながる研究として、マウスの発声信号がコミュニケーション文脈で異なることを発見した。また、動物の階層性につながる研究として、鳥類の発声行動に対応した大脳運動前野のトポグラフィカルな発火パターンを発見した。分担者である和多は、発声制御に関わる神経伝導路を選択的に損傷する技術を開発し、歌の階層性制御に関わる神経機構を解明する手がかりを得た。香田は、ニホンザルにおいて腕の制御が簡単である一方、発声の制御が非常に難しいことを見出し、発声学習の霊長類起源を検討している。幕内は階層性と意図共有についてのヒト機能的MRI研究を進めている。 分担者である関は、発声の能動的制御についての研究に2018年度に着手したが、実験パラダイムの確立と研究員の雇用に遅れが生じたため、研究費の一部を2019年度に繰り越した。この問題は2019年度には解決し、セキセイインコのコンタクトコールが個体識別信号として用いられている可能性を検討することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度には、代表者・分担者それぞれが一部を除いて順調に計画を進めることができた。進捗に遅延のあったグループについても、研究費の繰り越しを有効に用いることで、計画どおりの進捗に戻すことができた。また、一部のグループでは、当初計画以上の進捗を挙げることに成功している。以上から、当研究班は、全体として概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度には、領域全体で解明すべき意図共有と階層性についての以下のように作業定義が定まったことにより、より具体的で領域の目標に沿った研究を推進することができよう。意図共有:相手がもつ実現したい状態を理解し、自分もそれを実現する意欲を持つこと。階層性:要素のまとまりが新たな機能を実現し、さらに、それら(=要素のまとまり)のまとまりがより上位の機能を実現すること。 階層性については、鳥類・霊長類の発声行動を機械学習により分析し、それぞれを記述するためには形式文法のどのレベルが必要であるのかを解明する研究に力を入れる。同様にヒトの描画における階層性を定式化する方法を開発し、機能的MRIデータと合わせて、階層性の脳機能を解明してゆく。さらに、小鳥の脳の中でトポグラフィカルに応答する歌制御関連ニューロンが、階層性をどのように符号化しているのかを調べたい。意図共有については、オウム目鳥類の発声同期行動を手がかりに、発声の内的処理について検討が可能になってきた。また、ラットの情動関連発声が、他個体に及ぼす影響から情動伝染から意図共有に至る道筋を調べたい。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] The rate of telomere loss is related to maximum lifespan in birds2018
Author(s)
Gianna M. Tricola, Mirre J. P. Simons, Els Atema, Raoul K. Boughton, J. L. Brown, Donald C. Dearborn, G. Divoky, John A. Eimes, Charles E. Huntington, Alexander S. Kitaysky, Frans A. Juola, David B. Lank, Hannah P. Litwa, Ellis G. A. Mulder, Ian C. T. Nisbet, Kazuo Okanoya, ....& Mark F. Haussmann
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Journal Title
Transactions of the Royal Society B: Biological Sciences,
Volume: 373
Pages: 20160445
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Auditory-vocal coupling in the naked mole-rat, a mammal with poor auditory thresholds.2018
Author(s)
Okanoya, K., Yosida, S., Barone, C. M., Applegate, D. T., Brittan-Powell, E. F., Dooling, R. J., & Park, T. J.
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Journal Title
Journal of Comparative Physiology A
Volume: 204
Pages: 905-914
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Nasalization by Nasalis larvatus: Larger noses audiovisually advertise conspecifics in proboscis monkeys2018
Author(s)
Hiroki Koda, Tadahiro Murai, Augustine Tuuga, Benoit Goossens, K.S.S. Nathan, Danica J. Stark, Diana A. R. Ramirez, John C. M. Sha, Ismon Osman, Rosa Sipangkui, Satoru Seino & Ikki Matsud
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Journal Title
Science Advances
Volume: 4
Pages: eaaq0250
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Neural capacity limits during unconscious semantic processing.2018
Author(s)
Nakamura, K., Makuuchi, M., Oga, T., Mizuochi‐Endo, T., Iwabuchi, T., Nakajima, Y., & Dehaene, S.
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Journal Title
European Journal of Neuroscience
Volume: 47
Pages: 929-937
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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